「憎いあンちくしょう」(1962)

【DVD発売中】

66点66
愛が形骸化した男女が、ふとしたきっかけで日本縦断の旅に出ることになり、愛を取り戻すという物語。マスコミに生きる男女を描く一方、無医村で働く医師と遠く東京に離れて暮らす恋人の純愛を設定し、2組の愛を互いに照射させながら物語は展開していく。蔵原惟繕監督のスピーディーで歯切れのいいカッティングやカメラワークも冴え、時にスクリーン・プロセスを使ったラブ・シーンの処理も鮮やか。人気スター、北大作にはマネージャー兼恋人の榊典子がいるが、このところ多忙から二人の仲は倦怠気味。そこへジープを九州まで運ぶという仕事が舞い込んでくる。九州の無医村で働く恋人のために、美子が新聞広告を出したのだった。大作はこの話に共感して、その運転手を買って出る。一方、マスコミもこのニュースを聞きつけ、ジープを運転する大作のあとを追いかけまわす。典子はあわてて大作を連れ戻そうとするが……。

あらすじ

北大作はマスコミから追いまわされる「現代のヒーロー」で、映画出演、テレビ座談会、司会、原稿執筆等々、一分一秒まで予定で埋っている。そんな彼を支配するのは、マネジャー兼恋人の榊典子という近代娘。二人は二年前から「ある瞬間」がくるまで、指一本ふれないという約束をかわしている。時間で動く機械のような生活に倦怠を感じている大作の前に、井川美子が現れて情勢は一変した。「ヒューマニズムを理解できるドライバーを求む。中古車を九州まで連んでもらいたし。但し無報酬」という奇妙な三行広告が、大作の受け持つテレビ番組とりあげられたのが事の始まり。美子の恋人で医師の敏夫は、九州の片田舎に住んでもう二年も離れたままだが、今なお二人の間には純愛が続いている。大作の体中の血がたぎった。「僕が運びます!」彼が本番最中のテレビ・スタジオを飛び出したので、典子やディレクターの一郎は大あわて。典子はスポーツ・カーで、ジープを飛ばす大作を追った。いち早くこの事件から新番組を企画した一郎たちの取材班、新聞社の車がそれに続いた。静岡、豊橋、名古屋、京都−−。典子は愛する大作の突飛な行動を正当化し、話題の焦点にしようと一芝居打つが、それは失敗に終った。大作の心には、井川美子の純愛をたしかめることしかないのだ。幾多の困難を排してジープは一路九州へ。福岡の山笠まつりの混乱の中で、群衆にもまれた典子は大作に救い出された。大作は典子との間にあった倦怠が崩れ、ついに「ある瞬間」がやってきたのを知った。阿蘇の大噴火口を越えると、目的地は近い。洗川村では美子と敏夫が大作を待っていた。ジープを渡した大作は、東の空にのぼる太陽を見つめて、典子に叫んだ。「さあ、きょうから僕たちの第一日目だ!」と−−。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1962年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 106
チケット 前売りチケットを購入する