「ドグラ・マグラ」(1988)

【DVD発売中】

78点78
映画化不可能とまで言われてきた夢野久作の同名幻想怪奇小説を、実験映画の鬼才・松本俊夫監督が論理的に映画化。婚約者を殺しかけて精神病院に収容された青年と、彼を治療しようとする二人の医師との確執を縦糸に、人間の意識内の幻想と狂気が描かれる。理路整然と組み立てられた、ホラー風味の迷宮ワールド。

あらすじ

呉一郎は目を覚ますとそこはひどく殺風景な部屋で窓には鉄格子がはめられていた。壁の向う側からは少女の叫び声が聞こえてくる。そこへ九州医科大学法医学教授・若林鏡太郎と名乗る男がやってきた。ここは精神科病棟で、若林は前任の主任教授だった正木が死亡したため兼任したのだという。一郎は自分の名前も顔も覚えていなかった。若林によればそれは恐ろしい事件のショックのためで、記憶は自分の力で呼び戻さなければならなかった。一郎はある日同じ病棟にいるモヨ子という少女と対面させられたが、彼女はなぜか自分のことをお兄様と呼んだ。一郎とモヨ子は唐の玄宗皇帝末期の宮廷画家・呉青秀と楊貴妃の侍女・黛子の妹・芬子の子孫で深い因縁で結ばれていた。呉青秀は初め黛子と結婚したが、彼女を殺してその死骸を裸にして写生を始めた。しかし、腐っていくのが早いため代わりの死体欲しさに次々と女を殺していく。彼は自分を慕っていた芬子を連れて逃げ、途中で自分は海に落ちて死んだ。後に残った芬子はお腹の子と共に生き延びたという。一郎とモヨ子はその時の二人の記憶を遺伝してしまっているのだという。また一郎はある日研究室で「ドグラ・マグラ」という小説を手にした。若い大学生の患者が書いた推理物で、読んでいくうちに自分の頭がおかしくなっていくという。著者自身のほか正木や若林もモデルになっていた。一郎の頭の中ではさまざまな過去のイメージや幻想、妄想が複雑に絡みあっていた。死んだはずの正木との対話、母・千世子の想い出と母親殺しの容疑、婚礼前夜の花嫁殺し、モヨ子の遺体の替玉と怪人……。そして、ある日一郎が目を覚ますと、そこは病室で窓には鉄格子がはめられており、彼は記憶喪失で自分の名前や顔も覚えていなかった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1988年
製作国 日本
配給 活人堂シネマ=都市環境開発
上映時間 109
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