「山の讃歌 燃ゆる若者たち」(1962)

60点60
妻との結婚を押しきったため、出世が遅れたと思い込んでいる財務省に勤める父・栄城。その3人の息子たちはエリート・コースを歩みながらも、封建的な家庭と官僚生活によって歪められていく自分たちを、もう一度人間らしく復活させようと、次々と山に登る決意をするのだが……。出世主義への風刺を込めた異色の山岳ドラマ。

あらすじ

財務省に勤める広岡栄城には三人の息子があった。長男の省一は冬山の単独行で遭難した。次男の進吾は東大コースを歩み商事会社に勤めていた。三男の栄介は東大をめざして猛勉強の最中であった。栄城は妻たかとの結婚を押し切ったため出世がおくれたと思いこんでいる男である。大学の同期の高橋は局次長の娘を妻にして、今では財務省の次官候補にまであげられていた。栄城は自分が毎日味わう屈辱感を、息子達にはさせまいと、何時しか出世主義を息子達に押しつけていた。省一には、婚約者として高橋の娘美沙が決っていたが、省一が遭難したため、栄城は次男の進吾に彼女を当てようと図った。人形のように扱われるのを嫌った美沙は、進吾と会って結婚の話を断った。若い進吾も勿論この話に賛成だった。淡白な進吾の態度に美沙は心惹かれるのを感じた。折も折、進吾が所属する山岳クラブでは、劒岳にある「黒いジャンダルム」へ挑む計画があった。進吾は、益々重苦しく覆いかぶさる父母の重圧から逃れるためもあって、この困難な計画を実行した。その結果−−右足切断というみじめな敗北に終った。栄介は難関の東大に入学した。或る日、栄介が省一の哲学ノートを探している時、省一の日記を発見し、兄の死の真相を知った。封建的な家庭と官僚生活によって歪められてゆく自分を、もう一度人間らしく復活させたいため兄達が山に登ることを知った。栄介は入学祝に父から貰った金で登山道具を買った。両親は必死になって反対した。栄介の登山を心から喜び、激励するのは進吾達のクラブがある運動具店の店員節子だった。節子と栄介は恋人だ。栄介は自分が山で勝利を収めることが、両親を目覚めさせ、絶望の進吾を救うことだと確信した。進吾は弟に、彼愛用のザイルを送った。栄介は泣いてとめる母を振り切って山へ出発するのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1962年
製作国 日本
配給 松竹大船
上映時間 90
カテゴリ ファミリー
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