「蜜月」(1984)

53点53
野菜市場の仲買店でアルバイトをしながら大学に通い文壇を目指す青年と、文芸誌の女性編集者との、今にも壊れそうな愛と生活を、1960年安保のあとの時代を背景に描いた作品。オーディションで選ばれた中村久美がデビュー、佐藤浩市が好演。

あらすじ

小説家志望の青年・村上哲明は、投稿している編集室に花を持って現われた。彼のめあてはそこに務めている星みつ子である。みつ子は最近見合いをし、付き合っている男性がいたが、それを承知で哲明は食事に誘った。飲み屋で彼は自分の育った田舎のことや思いつきの小説の話など勝手にしゃべる。お嬢さん育ちのみつ子にはそんな話が新鮮だったが、帰り際、突然キスしようとした哲明に逃げ帰った。誘われるままにみつ子は哲明と何度か会う。けれど彼に近づく程、警戒心が強まっていく。平凡に生きていくつもりのみつ子にとって哲明は危険すぎた。一方的にこれきりだと哲明に告げ、帰って来たとたんみつ子は後悔の念に襲われる。哲明が高熱で倒れたと知った彼女は彼のもとに走った。枕元でみつ子は「婚約者と別れた」と告げる。二人は、愛の確認の場所に海辺の小さなホテルを選び結ばれた。親や友人に哲明との交際をとがめられたみつ子は、彼と生きるために「逃げよう」と持ちかける。二人の蜜月の時が流れ始めた。「何から逃げてんのだろう」とつぶやきながらも「毎晩裸で抱き合っていられる」と喜ぶ哲明。荷物をとりに下宿に戻った彼を、父親と妹が持っていた。病気で入院していた母親が亡くなったという。哲明とみつ子は、哲明が所属していた前衛舞踏団の事務所を訪れた。彼らは先鋭的ジャズピアニスト・糸賀祥介とのジョイントを控えており、顔を出さなくなった哲明に文句を言うが、一晩二人を泊める。二人はやっと小さなアパートを探し当てた。ジョイントを手伝った哲明が、戻ると部屋が綺麗に飾られていた。そこでみつ子が突然泣き出した。親のことを思い出し、はりつめていたものが一気に溢れ出したのだ。自分勝手な行動を悔いて家に電話をかけにとび出して行く。電話ボックスで哲明がみつ子を見かけた時、すでに彼女は二人の結婚の承諾を親からとりつけていた。哲明は、困惑した思いをぶつけるように足元の缶を蹴った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1984年
製作国 日本
配給 ATG=シネマハウト
上映時間 113
カテゴリ 青春ドラマ
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