「風、スローダウン」(1991)

55点55
タレントの島田紳助の映画監督デビュー作。大阪を舞台に、プロのオートバイレーサーを夢見るオサムと、ヤクザ組織に加わったチンピラ・ショージ、そして何不自由なく父親の事業を継ぐことを約束されているボンボン・ヤスヒロ。生き方はそれぞれ違うものの中学時代の同級生であるこの3人の夢とロマン、そして挫折を描いた青春映画。10年前の「ガキ帝国」で映画デビューを飾った紳助が、それ以来の仲間でもある井筒和幸を総監修に迎え、自分自身のエピソードなども織り込み哀愁込めたタッチで綴っていく。それぞれの主人公に扮する吉本興業の若手タレント石田靖、長原成樹、西川忠志(西川きよしの長男)が持ち前のキャラクターを生かして三者三様の若者像を好演。彼らの前に現れるマドンナ役の五十嵐いずみのアンサンブルも見事で、一人の新人監督の入魂の一作として、大いに好感の持てる作品である。

あらすじ

プロのオートバイレーサーになることだけを夢見て昼夜アルバイトに追われる生活を送るオサム、何不自由なく父親の事業を継ぐことを約束されているボンボンのヤスヒロ、そしてヤクザ組織の準構成員のジョージ。生き方は違うものの中学時代の同級生である三人。三者三様、自分の生き方に執拗し、己の可能性を信じる彼らも二三歳を迎え、自分達の青春に落とし前をつける時期が近づいているのをそれぞれ予感していた。そんな彼らの前に東京から来た麻美が現れる。自分の育ってきた周りしか知らずに生きてきた彼女は、自らの夢に突き進むオサムに心惹かれていく。ジョージとヤスヒロはそんなふたりを暖かい目で見守るが、麻美に想いを寄せていながらも何も出来ないヤスヒロはどこかで嫉妬を感じていた。麻美との楽しい日々を満喫するオサムだったが、それも長くは続かなかった。実は麻美は東京に親が決めたフィアンセがいて、その結婚に踏み切れず、ひとり大阪へ出てきたのだった。また、オサムも青春にケジメをつける日が刻々と近づくにつれ、麻美とオートバイのどららを取るかという決断に迫られていた。一方、ヤスヒロの方は、あまりのドラ息子ぶりに愛想尽かした父親の政略結婚にハメられ、ジョージは鉄砲玉で男を上げようとして、その若き生命を散らせていくのだった。結局夢を捨て切れず、苦悩の末、麻美と別れたオサムは、彼女の結婚式に花束を送り、自らの夢を賭けたレースに出場。しかし、オサムを乗せたバイクはレース中、勢いを越えて転倒してしまうのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1991年
製作国 日本
配給 吉本興業=ディレクターズ・カンパニー=テレビ大阪=日映エージェンシー
上映時間 107
カテゴリ 青春ドラマ
チケット 前売りチケットを購入する