「RAMPO 奥山バージョン」(1994)

60点60
完成した作品に不満を持ったプロデューサーが、自らメガホンを取って全体の70%を撮り直し、再編集を施した改訂版。場面は多少前後するものの、基本的な構造は変わらないので、物語はオリジナルの“黛バージョン“を参照のこと。主な変更点は(1)冒頭に米映画「マイ・ライフ」などのブルース・J・ルービン監督による英語ナレーション追加 (2)「お勢登場」のアニメ化(監督は名倉靖博)(3)著名人を多数集めたパーティーとそれに続くホテルでの場面を追加 (4)サブリミナル効果に訴えるコマ単位の編集 (5)「1/fゆらぎ」を導入した美術セット (6)伯爵邸での映画的趣向の強化 (7)主題歌にジャズの名曲「オール・オブ・ミー」を使用 (8)上映館にフェロモン入り香水をまいて観客の嗅覚を刺激する、など。改訂は主に“見せ物的な視点の導入“を意図しており、観客は随所ではぐらかされて困惑するほかない。映画というよりイベント性にこそ眼目があり、ある意味では一連の騒動そのものが、そのまま「RAMPO」だともいえる怪作。乱歩生誕、映画誕生、松竹創立100年をそれぞれ記念している。

あらすじ

昭和初期。乱歩は雑誌編集長・横溝正史から見せられた新聞記事によって、発禁処分を受けた未発表の新作「お勢登場」のヒロインとそっくりの境遇の女・静子を知る。彼女に出会い魅了された乱歩は、夫殺しを非難され街を離れるという静子を説得し、「お勢登場」の続編が書き上がるまでそばにいてほしいととどめる。その続編は、乱歩の分身である明智小五郎が、変態侯爵のもとから虚構の静子を救い出す物語であったが、なかなか思うように筆は運ばなかった。その上分身であるはずの明智の「指図は受けません」という言葉が彼を混乱させる。一方、現実の静子は書き置きを残し、乱歩のもとを去っていった。彼女はいつしか彼の小説の中に入り込んでしまっていた。静子を求め、乱歩は小説の迷宮に自ら足を踏み入れる。だが乱歩の小説の中で変態侯爵大河原の妻となっていた静子は、大河原を殺し、明智を長持ちの中に閉じ込めている間に毒を含んで死んでしまった。静子を抱きかかえる乱歩の回りで、界はくだけちり燃え上がっていく…。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1994年
製作国 日本
配給 「RAMPO」製作委員会
上映時間 97
カテゴリ サスペンス/ミステリー
チケット 前売りチケットを購入する