「女犯破戒」(1966)

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江戸中期文化爛熟の頃、妖しき悪の殿堂・延命院を舞台に、無理心中で一人生き残り仏門に入った元人気役者の日当。彼は戒を破って次々と女を抱き、大奥にまで色祈祷を施して大僧正の地位を狙う大悪僧となる。あげくの果てに心中で死んだ女と瓜二つの女が現れて破滅する、というお話。工藤栄一の爬虫類的な冷たい感触の映像が印象的だ。

あらすじ

江戸栄えて爛熟の頃。榊山座の人気者丑之助が、ある日、武家娘お梅と駈け落ちしてしまった。追っ手を逃れる舟の中で、お梅は無理心中をはかり、丑之助だけが被差別民の東六に救われた。当時心中の片割れは死罪となるのがならわしであったが、丑之助は父の縁を頼って江戸谷中にある延命院に逃れ、仏門に入ることになり、法名を道暁とした。ところが、この道暁は、河原者でありながら武家娘と駈け落ちするほどの色男なので、噂が噂を呼び、延命院は女の信者で埋めつくされた。これを知った祈祷師柳全は、道暁を繰って信者の金をまきあげようと、自らも頭を丸めた。この計画は見事図にあたり、道暁のもとに、女と金がどんどん集まって来た。そんなとき住職の日暁が病気で倒れ、これを利用した柳全は、日暁を闇から闇へほうむってしまった。日暁の死後、延命院を継いで住職となった道暁は、日当と法名を改めこんどは、誰はばかることなく、珠数を持つ手で女を歓ばせた。延命院には読経に変って女の歓声がながれ、大奥の中臈粂村までが、日当の色祈祷を求めに来るようになった。日当はこれに目をつけ、粂村の力で時の将軍を動かし、仏門最高の栄誉と言われる大僧正の地位を獲得しようとたくらんだ。だが、そんな日当の前に、彼らの行動をあやしむ、寺社奉行淡路守が現れた。日当が最初に手をつけた町娘おきんの発狂とその直後の変死、粂村の待女おこうの妊娠などの噂が、淡路守の耳に伝わってきたのだ。が、そんなこととは露知らぬ将軍家斉は、延命院に母堂三周忌の法事を命じた。一方淡路守は配下の与力幸十郎の娘お槙に、延命院に、名を梅とかえて潜入させた。このお槙の顔は、以前日当が心中を計ったお梅と瓜二つであった。さすがの日当も、遠い昔の思い出を呼び起され、日夜悩まされたがお槙を与力の娘と見破りながらも次第にお槙に真の愛情を感じるようになり、金に眼がくらんでお槙を殺そうとした柳全をも殺してしまった。やがてお槙のおかげで、日当の悪業の確証をつかんだ淡路守は、延命院を捕手に囲ませ火を放った。火炎の中、経文を唱える日当の姿が浮びあがった。お槙は、そこに噂とは全く違う、清らかで気高い日当の姿を見た。所謂日当の悪業も、お梅を死なした罪の意識と、周囲の冷たい仕打が原因だったのだ。お槙は夢中で火の中にとびこんだ。互いに呼び合うこ人を紅蓮の炎が包み、悪名高い延命院も一瞬の内に灰じんと化してしまった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1966年
製作国 日本
配給 東映京都
上映時間 88
カテゴリ 仁侠/時代劇
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