「挽歌〈1976年〉」(1976)

20点20
最果ての町、釧路を舞台に、どこか冷めている妖精のような少女と、妻の不貞を知って悩む中年男、そして成熟した魅力を持つ妻との愛の葛藤を描いた作品。原田康子のベストセラー小説の映画化で、都会の高層ビル街には生き得ない女を秋吉が好演。

あらすじ

北海道・釧路。怜子が桂木と逢ったのは、やがて来る厳しい冬を前にした静かな、淋しい晩秋のある日の公園だった。アマチュア劇団「あすなろ」で美術の仕事をしている怜子は久田幹夫をはじめ、劇団の仲間にはない大人の魅力を桂木に感じた。怜子は、桂木の建築事務所に出入りするうちに、桂木の妻・あき子に古瀬達巳という医学生の愛人がいるのに気づいた。あき子は年下の古瀬の激しい情熱を受け入れながら、家庭の安泰を願い、それが古瀬の気持をいらだたせていた。桂木もあき子の不貞を知り悩みつづけていた。それは、どれほど大きな仕事をしようと仕事では癒すことができなかった。怜子はそんな桂木の心の傷口を乱暴にかき乱した。怜子の父・信久は、怜子にいくつかの縁談を持ってくるが、怜子は巧みに断わり逆に父の再婚をすすめた。だが、信久は洋装店のマダム・谷岡紀実に好意を寄せているのだ。怜子は桂木と結ばれたが、同時に、あき子の翳の多い美しさに魅せられ、桂木家を訪れるようになった。いつも正直な怜子はあき子とも、娘のひろみとも仲良くなった。桂木は妻との離婚を考えていたが、怜子は、桂木とも、彼の美しい妻とも、彼の可愛い娘とも、みんなで仲良く暮したかった。怜子にとってごく自然なことが、他人には異常にみえるのだった。ある日、怜子を訪れたあき子は、桂木と怜子の仲を知り、激しいショックを受けた。北国の厳しい自然にさらされ、墓標のように立ち枯れているトド松の林の中で、あき子が服毒自殺したのは、それから間もなくだった。その白い首には、かつて怜子がプレゼントした、黒いネックレスがかけられていた……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1976年
製作国 日本
配給 東京映画
上映時間 93
カテゴリ ラブ・ストーリー
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