「月の出の決闘〈1960年〉」(1960)

80点80
原作は川口松太郎の『利根川鴉』。片腕のない旅鴉・枡形の朝吉は、ある湯治場で死んだ女房そっくりの声を持つ、お安と出会う。お安は宮大工・徳次郎の妻だったが、今の徳次郎は右腕が利かず、しかもバクチ狂。その徳次郎が、事件で死んだお安を、朝吉が殺したと勘違いして……。役者として転期を迎えた、「不知火検校」直後の勝新太郎が、片腕の渡世人、朝吉を好演。

あらすじ

片腕なしの旅鴉枡形の朝吉は山の湯治場で死んだ女房お千代そっくりの女義太夫の声の主お安と知った。お安は江戸で聞えた宮大工徳次郎の女房。徳次郎は神田明神の透し欄間を彫る一世一代の仕事を控えて右腕にリョウマチを病みお安と湯治に来ているうち、持って生れた病いのバクチで滞在費をすってしまいお安が昔おぼえた義太夫を語って稼いでいた。快方に向う徳次郎は手馴らしにノミを注文しお安に取りにやらせた留守、お安と朝吉との変な噂を聞いた。また女房に養われる淋しさの余り貸元佐平の賭場で、お安の稼ぎためた金はおろかついに女房の体まで張てしまった。佐平らのインチキを見破った朝吉は徳次郎のために大暴れ、そのまま故郷へ飛ぶはずの山道でバッタリ逢ったのはノミを持ったお安。お互いが愛し合っているのを知りながらこのまま別れなければならない、そんな気持のよろめきから二人は誤って谷底へ転落した。そのハズミでお安はノミが体に刺さって絶命、朝吉は佐平一家の追跡を身をもって逃れた。お安の手に残った朝吉の片袖に徳次郎は朝吉をお安の仇と思い込み朝吉の跡をおった。そして佐平等も朝吉の命を狙って旅に出た。朝吉の母お谷、息子の太郎吉らは千代の祥月命日に朝吉の帰りを待ちわびていた。一足早く枡形に着いた徳次郎は宿屋の女中お米と仲の良い太郎吉と親しくなり、その太郎吉が朝吉の子と知って驚いた。土地の親分白良の庄五郎に渡りをつけた佐平一味は、既に徳次郎が朝吉を狙っていると知ると邪魔な徳次郎も片づけてしまう算段をたてた。朝吉の帰途を徳次郎が果し状をつきつけた。決闘場所を菩提寺の裏山と決めた。しかし佐平一味の邪魔が入った。二人は協力して彼等追い払いあらためて弁天岩屋を決闘の場所とした。職人ながら剣を習った徳次郎は片腕朝吉より強かった。しかし、朝吉を刺そうとすると不思議に右腕が利かなくなってしまた。死んだお安の一念が愛する朝吉を刺させないようにしていると知った徳次郎は気持を一変に氷解させた。そして折から駈けつけてきた。佐平、庄五郎一味を、二人は力を合せて迎え撃つのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 77
カテゴリ 人間ドラマ
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