「けんかえれじい」(1966)

【DVD発売中】

68点68
鈴木清順の作品には華麗なアクション・ドラマと破天荒な青春ドラマの系列があるが、これは後者の頂点をなす傑作。痛快なアクション、おおらかなユーモア、青春期特有のリリシズムと、そのすべてがうまく融け合い、見事な青春絵巻を展開している。昭和初期、岡山中学の南部麒六は“喧嘩キロク“とあだ名されるほどの喧嘩好き。配属将校にたてついて放校になり、会津へと転校する。そこでキロクは自らの腕っぷしで硬派の頭株にのし上がっていく。一方で下宿屋の娘・道子に想いを寄せるが、道子は修道院に入ると言いキロクに別れを告げる。キロクは敵対する会津中学に大決戦を挑み、勝利するが、“もっと大きな喧嘩をしたい“と東京へ向かう……。当時22歳の高橋英樹が硬派中学生を好演。ヒロイン役の浅野順子はこの作品ののち、すぐ大橋巨泉と結婚し引退したが、彼女の可憐さはこの作品の中で、永遠不滅の輝きを保ち続けている。

あらすじ

岡山中学の名物男南部麒六は“喧嘩キロク”として有名だ。キロクに喧嘩のコツを教えるのが、先輩のスッポン。そのスッポンのすすめでキロクは、OSMS団に入団した。OSMS団とは岡山中学五年生タクアンを団長とするガリガリの硬派集団だ。そのOSMS団と関中のカッパ団とが対決した。キロクの暴れぶりは凄まじく、この喧嘩で忽ち副団長となった。だが、キロクにも悩みはあった。下宿先の娘道子が大好きで、硬派の手前道子とは口もきけないからだ。反対に道子は一向に平気でキロクと口を聞き、野蛮人のケンカ・キロクには情操教育が必要とばかり、彼女の部屋にキロクを引き入れてピアノを練習させる始末だ。そのうえ、夜の散歩には必ずキロクを誘いだした。ケンカに強いが女にゃ弱い。キロクはガタガタふるえるばかり。この二人の道行きをタクアンが見つけたからおさまらない。硬派にあるまじき振舞いとばかり、キロクを殴りつけようとした。それと知ったスッポン先輩がかけつけて、その場は何とか切り抜けたが、キロクの道子病は重くなるばかり。その煩悩をたち切ろうと、学校では殊更暴れ廻り、配属将校と喧嘩したため、若松の喜多方中学校に追い出されてしまった。しかし、転校一日目にして、喧嘩キロクの名前は全校にひろまってしまった。会津中学の昭和白虎隊と名乗る三人組をやっつけたからだ。この喧嘩は大喧嘩に発展した。昭和白虎隊がキロクに宣戦布告をしたからだ。キロクには喜多方中学の硬派が続々と集り、決戦の場会津鶴ケ城でしゆうを決することになった。この大喧嘩は町中の評判となり、キロクは停学処分をうけた。下宿でポツンと一人で居るキロクのところに、珍客が現われた。はるばる岡山から道子が尋ねて来たのだ。感動の面持ちで、じっと道子をみつめるキロクに道子が思いがけないことを告げた。道子は長崎の修道院に入るというのだ。キロクは絶望のどん底にたたきこまれる思いだった。このつらさを忘れるためにも、もっともっと暴れまわらなけりゃならない、喧嘩しなければならないとキロクは思うのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1966年
製作国 日本
配給 日活
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