「完全な遊戯」(1958)

【DVD発売中】

27点27
『太陽の季節』で太陽族ブームを巻き起こした石原慎太郎が、自ら“太陽族の終点“を描いたという原作を職人・舛田利雄が監督。話は、いくら学生時代に無茶をしても、結局のところ若者は職に就き、世間の中に埋没していくというもの。当時与えた衝撃力が現在通用するかという点では、多少の疑問も。

あらすじ

就職難にあえぐ多くの学生たちを尻目に、会社社長を父にもつ大木壮二は、事実上もう就職先も決り、だから就職試験の席でも臆する色なく、こう答えた。−−「いい家庭に育って就職先が決っている連中は勉強する必要もなく、太陽の下でやりたいことができます。しかし彼らとて一瞬太陽を拝んだだけで就職して大きな流れの中に入ると、そんなものは吹っ飛んでしまいます。抵抗はすべて遊戯にしかなりません……」−−すべて遊戯にしかならない……あの大きな犠牲を残した事件も遊戯にしか過ぎないのだ、壮二は、若いエネルギーと空白の時間をもて余していた過去を思い出した。−−壮二は仲間の秋谷、沖津、戸田と場外私設車券売りのかたりで金儲けの計画をめぐらした。ノミ屋といわれるこの商売は、客を引くためにレースがゴールインしてもまだ券を売っていること、ノミ屋の仲間が競輪場から結果を知らせてくれるまでに五分の時差があること、この二つを利用し、仲間の一人が競輪場に張込み、結果を逸早く私設売場の仲間に報せて当った券を買占めるという寸法である。こうして彼らは三十四万円を儲けた。が、ノミ屋には金の用意がなく、責任者の松居鉄太郎は二十万円だけを払い、残りは必ず渡すと約束した。しかし金は直ぐできるわけがなく業をにやした壮二たちは鉄太郎の妹京子を誘惑、借金の人質とした。鉄太郎が金をもってきた。が、京子はすでに秋谷と沖津の手ごめにあっていた。京子は家に帰った。そこには思いがけぬショックで死んだ病床の母があった。翌朝、母の死体と並んで京子の死体が発見された。睡眠剤をのんで自殺したのだ。いつか京子を好きになっていた壮二は、行きつけのバーで激しく、京子の死について詰問した。そこへ鉄太郎が飛び込んできて物も言わずに戸田をドスで刺した。鉄太郎は自首した。−−「君が非常にしっかりした青年だということが分った」という試験官の言葉に我に返った壮二は、のろのろと立上り、毎日が同じことの繰返しであるサラリーマンの流れの中に消えていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1958年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 93
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