「太陽の季節」(1956)

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59点59
石原慎太郎が前年に芥川賞を受賞した同名小説を長門裕之と南田洋子のコンビで映画化した話題作。主人公の虚無的な高校生は、銀座で拾った娘と肉体関係を結ぶ。色恋ざたになりそうになり兄へ売り渡すが、娘は妊娠中絶に失敗して死んでしまう。石原慎太郎の原作は大胆なセックスと暴力描写で話題を呼び、小説の舞台となった湘南海岸に群がる青少年たちは“太陽族“と呼ばれた。映画化された作品は平凡な風俗映画であったが、興行的に大ヒットを記録し、再開したばかりの日活の明るい話題となった。原作者の実弟・石原裕次郎が主人公の友人であるボクシング部員の役というチョイ役でデビューし、そのずば抜けたスター性が注目された。

あらすじ

ハイ・スクールの学生津川竜哉は、拳闘に興味を持つタフな若者だった。ある日、彼は遊び仲間の佐原や江田たちと銀座に出た。持ち合せた金の不足から、彼等は素人娘をさそって遊ぶことに決め、とある帽子屋から出て来た武田英子ら三人に目をつけた。遊び廻る途中も、竜哉は英子を独占していた。やがて試合の日、竜哉はTKO勝ちしたが傷を負った。待ちかまえていた英子は自分の車で彼を病院に送り届け、次いで二人きりの夜を過した。夏に入る前、英子は逗子にある竜哉の家を訪れ二人は初めて肉体関係を結んだ。その後、ナイトクラブで英子がバンド・マスターと踊っているのを見た竜哉は、カッとして男を撲り倒した。八月のある日、海に漂うヨットの上で抱き合った二人は始めてお互いに愛情を感じ、英子も、自分が女であることに自信をもった。しかし竜哉は愛情を捧げる英子をうるさがり、英子の体を兄道久に五千円で売り渡してそのまま拳闘の合宿に入った。英子は竜哉と会って、自分の体が売物になったことを知った。だが竜哉が本当は自分を愛していると知る英子は道久に五千円を払い戻した。十月になって、子供が出来た英子に竜哉は始末しろとハッキリ言い渡した。英子は妊娠中絶手術の経過が悪く、ついに死亡した。葬式の日、竜哉は英子の家に突然、姿を見せた。列席者のとがめるような視線をはね返した竜哉は祭壇に進み、彼に挑むような笑顔の英子の写真を見詰めた。突然、竜哉は香炉を英子の写真に叩きつけ、驚く人々に「あんたたちにゃ、何も判りゃしないんだ!」と叫んで広間を飛び出して行った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 89
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