「レディ・ジョーカー」(2004)

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49点49
高村薫の同名小説を『OUT』の平山秀幸監督が映画化。大手ビール会社社長誘拐に潜む、社会の根源的な闇を、非凡な構成で暴き出す。ミステリーの体裁を冒頭から解体し、底知れぬ不気味さを湛えた集団劇として展開していく内容が鮮烈。善悪の概念を粉砕したハードボイルド作品だ。

あらすじ

平成16年10月、日之出ビール社長・城山恭介(長塚京三)が誘拐された。“レディ・ジョーカー”と名乗る犯人グループのメンバーは、薬店を営む物井清三(渡哲也)、障害を持つ娘・さち(愛称レディ)を抱えるトラック運転手の布川淳一(大杉漣)、信用金庫に勤める在日の高克己(吹越満)、町工場の施盤工・松戸陽吉(加藤晴彦)、そして刑事の半田修平(吉川晃司)の、川崎競馬場で知り合った職業も年齢もバラバラの5人の男たち。ただ彼らに共通していることは、“社会の弱者”であることだった。56時間後、城山を解放した“レディ・ジョーカー”は、今度は会社への脅迫を開始する。人質は350万キロリットルのビール。それに、異物を混入させようというのだった。更に、彼らは日之出ビールに20億円の裏取引を持ちかける。果たして、城山は取引に応じる動きを見せた。実は、城山には犯人の目星がついていたのだが、そのことを公に出来ない事情があった。それは5ヶ月前、城山の姪の佳子(菅野美穂)が、被差別部落出身という理由から物井の孫の孝之との結婚を両親から反対されており、しかも孝之は日之出ビールの就職試験に落ちた直後、バイク事故で死亡していたのだ。これが明るみに出たら、城山家にも会社にも大スキャンダルである。そこで、城山は個人的な脅迫と知りつつ、“レディ・ジョーカー”に会社の金から20億円を渡すのだった。その頃、捜査に躍起になっていた警察は、日之出ビール幹部と“レディ・ジョーカー”との間に裏取引があるのではないかと睨みつつ、同時に半田への内偵を進めていた。ところが、もう少しで任意事情聴取というところまできて、半田の元上司が自殺。結局、警察内部の腐敗をマスコミに騒がれるのを恐れた捜査本部は、半田の事情聴取の見送りを決定する。そんな上層部に憤りを隠せないのが、元警視庁捜査一課の刑事・合田(徳重聡)。しかし、彼も尾行に気づいた半田に怪我を負わされる。その後、金を預かっていた高が、日之出ビールとかつてつながりがあった総会屋と共に行方をくらます。しかし、そもそも金を奪うことが目的ではなかった“レディ・ジョーカー”のメンバーは、今までどおりの静かな暮らしに戻り、一方、城山たちは総会屋との癒着が表沙汰になり、背任容疑で逮捕された。こうして、“レディ・ジョーカー”事件は、勝者のないまま人々の記憶の彼方に葬られていくのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2004年
製作国 日本
配給 東映=「レディ・ジョーカー」製作委員会
上映時間 121
公開日 2004年12月11日(土)公開
映倫 PG12
カテゴリ 社会派ドラマ
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