「大病人」(1993)

【DVD発売中】

59点59
伊丹十三が、死というテーマを見つめた意欲作。映画監督兼俳優の向井は、新作の撮影中に倒れて入院。彼の体はもって1年というガンに冒されていた。そうとは知らぬ向井は、不倫相手の女優と病室で情事を楽しんだり、看護婦をナンパしたりと、妻の万里子や担当医の緒方を困らせる。やがて病状を知った向井は、ショックから自殺を図るが……。これまでの伊丹作品のマニュアル的な要素は稀薄で、彼流のユーモアはそのままに、嫌味のない娯楽作として見事に完結している。主人公が前向きに死を迎えるラストは感動的。SFXを駆使した死後の世界の幻想的な描写も印象深い。DVDは「伊丹十三 DVDコレクション“ガンバルみんな“BOX」に収録。

あらすじ

俳優兼映画監督の向井武平は、ガンで余命いくばくもないオーケストラの指揮者が最後のコンサートに挑むという映画を自ら監督・主演していたが、撮影中に倒れて病院に運ばれる。妻・万里子の大学時代の友人でもある医師の緒方洪一郎が担当医となるが、向井の体はあともって一年という癌に冒されていた。緒方は向井に病名を偽り手術を施すが、暫くすると向井はまた倒れてしまう。映画の共演者であり愛人である神島彩を病室に密かに呼び出し情事を行うなど、何かと問題患者の向井に怒った緒方はつい軽率な発言をしてしまい、向井はショックのあまり自殺を図る。一命を取りとめた向井は緒方に真実を告げてくれと訴え、いがみあっていた二人は協力して死を迎えることになった。向井の映画の最後のクライマックス、彼の指揮するカンタータ『般若心経』のシーンも無事撮り終えた。向井は万里子や緒方、映画のスタッフたちが見守る中、最後の日々を満足して生き、死を迎えられたことを喜びつつ息をひきとるのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1993年
製作国 日本
配給 伊丹フィルムズ
上映時間 116
カテゴリ コメディ
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