「エロスは甘き香り」(1973)

54点54
桃井かおり演ずる服飾デザイナーの家で奇妙な共同生活を送る青年男女4人の姿を描いた、藤田敏八のロマンポルノ第3作。浩一、昭の二人は仕事にあぶれ、それぞれ悦子、雪絵のヒモとしてこの家に居候。だが浩一はある日、雪絵に手を出し、それ以来この共同体的生活に微妙なヒビが入り始める……。藤田敏八ならではの根無し草的青春ドラマで、脚本は「八月はエロスの匂い」の大和屋竺。デザイナー・悦子役の桃井、ホステス・雪絵役の伊佐山ひろ子の好演が光る。長谷川和彦が助監督についている。

あらすじ

カメラマン浩一、服飾デザイナー悦子、漫画家志望の昭、バーのホステス雪絵の四人が同棲生活を始めたのには深い理由があったわけではない。浩一は仕事がなく、悦子のところにころがり込み、半ばヒモのような暮しをしていた。売れない劇画を描いて、行くところのなくなった昭は、愛人の雪絵を連れて浩一たちのところに居候をきめこんでしまった。共同同棲生活が始まったのはそれからである。ある日、酔った雪絵を、浩一は衝動的に抱いてしまった。雪絵はそれを待っていたかのように彼を迎え入れた。昭は仕事をしない浩一に意見するかのように、売れない劇画を描き始めた。今度こそはと、描き上った作品を出版社に持ち込んだが、やはり不採用だった。失望にやけっぱちで飲んだ酒のいきおいで彼は悦子を抱いてしまった。そんな彼を悦子はやさしく、つつみこむのだった。その頃、浩一は行きつけの居酒屋の主人・久生からワイ写真のモデルを依頼されていた。相手は久生の女・雀である。浩一はヒモの自分から刹那的にも逃れるためにモデルを承知し、雀と幾多の交じわりをするのだった。ファインダーからそれをのぞく久生の目はぎらぎらと輝いていた。数日後雪絵は共同生活に嫌気がさして、部屋から出て行った。誰も止めようとはしなかったし、止める権利のないことも知っていた。そして、ワイ写真のモデルとなった浩一と、劇画を諦らめた昭と、二人のヒモを持った悦子の三人の奇妙な生活が、あてどもなくつづいていった……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1973年
製作国 日本
配給 日活
映倫 R18+
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