「棒の哀しみ〈1994年〉」(1994)

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86点86
組のために8年をムショで過ごしたこともある田中は、サラリーマン風の暴力団幹部。二人の情婦を囲い、素人娘をシャブ漬けにして売り飛ばすチンピラ中年だ。冴えないシノギにすっかり飽き、抗争や跡目争いに乗じて成り上がることを思わないではないが、実はそう本気でもない……。「ベッドタイムアイズ」に続く神代&奥田のコンビ作。長回し撮影を多用しつつ、堕ちていく男の悲哀をハードボイルド・タッチで描いている。翌年、世を去った神代にとって本作が遺作となった。

あらすじ

大村組の若頭だが組長に疎んじられ、危険な仕事はかり回されるやくざ、田中。組のために8年も刑務所暮らしをしてきたというのに、組長の大村は彼に新しい組を作れと命令し、上納金だけ絞り取って、跡目は若い倉内に継がせようとする。そんな折り大村は倒れ、言葉もろくに喋れない状態に。敵対する大川組も本家を挑発する。田中は情婦の一人、亜弓のマンションで舎弟の杉本と一計を案じ、倉内と大村を見返そうとする。シャブもルートを守るのを口実に抗争の応援を断った直後、組を裏切ろうとした若い梶田をわざと自分を刺すようにけしかけ、相手の鉄砲玉にやられたことにする。抗争の中心から巧みに逃れ、独自にシャブのルートも開発し稼ぎを大きくしていく。一方では飲み屋のツケの取り立てなどセコい仕事も続ける。レストランで働いていた洋子は、もう一人の情婦、芳江に預けシャブ漬けにさせた。やがて自分の役に立つ女になるだろうと。洋子の男が田中を狙い、刺す。そのナイフを腹に受けながらも男を殴り蹴り半殺しの目に合わせる。棒っきれのように生まれ棒っきれのようにくたばる人生。だが今、田中には運がある。大村が死に、壮大な葬式が行われた日。田中の乗るベンツを運転しているのは昨夜、田中を刺した男だ。田中がくわえたたばこの火を倉内がつける。田中は煙をくゆらせ、かすかに笑う。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1994年
製作国 日本
配給 エクセレントフィルムパートナーズ=ティー・エム・シー=ヒーロー=ユニタリー企画
上映時間 120
映倫 R15+
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