「さゞなみ」(2002)

73点73
山形県ののどかで美しい風景をバックに母と娘、双方の慎ましい恋物語を繊細なタッチで描写。恋愛に踏み出せないでいる主人公を等身大で演じる唯野未歩子のナチュラルな佇まいが印象的だ。

あらすじ

温泉地として知られる山形県米沢市。市の職員として水質検査に携わる稲子(唯野未歩子)は、奥津館の源泉調査に赴き、そこで温泉についてまかされているという便利屋の男・玉水(豊川悦司)と出会う。稲子の母・澄江(松坂慶子)は、和歌山県太地町でカメラ店をひとりで経営しており、夫は17年前に海の向こうに渡っていった。噂では、ブラジルで女と暮らしているらしい。稲子は母から、父は海難事故で亡くなったと聞かされていた。ある日、山形で暮らす叔母夫婦(天光眞弓・きたろう)の元に、サンパウロの日本人会から出された澄江の夫からの手紙が届く。それを電話で伝えられ、穏やかだった澄江の心がかすかに揺れ動く。奥津館で稲子は、幼少の頃の出来事がきっかけで、今でもたまに音が聞こえなくなることを玉水に打ち明ける。そんな稲子を玉水は無言でそっと抱きしめる。いつしか彼に惹かれはじめた稲子は、意を決して玉水のアパートを訪ねる。しかし彼は破産して妻に逃げられた過去があり、幼い息子・暁がいることが判る。暁の存在に動揺しつつも、稲子は料理を作り、3人は言葉少なに食事をする。数日後、玉水は市役所を訪れ、墓参りの代行で仙台に行くので一緒に行かないかと稲子を誘う。だが、死んだ父を想いつづける母を見ていて恋愛に臆病になってしまった稲子は、応えることができない。やがて、お盆で帰省する稲子は新幹線で奥津館の主人と偶然出会い、玉水が町を去ることを知らされる。帰省中、稲子と澄江は家族の思い出の地・凌雲峡へ出かける。そこで澄江は旅館の女将から、夫が以前愛用していた水枕を渡される。それを懐かしみ、部屋でひとり涙を流す澄江。実は数日前、電話で夫の死を知らされていたのだった。澄江の泣く姿を見て、母の父への想いの深さを改めて感じる稲子。その夜玉水に電報を打った稲子は、翌朝山形に帰り、玉水のもとへ向かうのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2002年
製作国 日本
配給 ザナドゥー=日活=バップ=ハマーズ=博報堂=NHKソフトウェア
上映時間 112
公開日 2002年11月23日(土)公開
カテゴリ 人間ドラマ
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