「午後の遺言状」(1995)

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69点69

あらすじ

夏の蓼科高原に、女優・森本蓉子(杉村春子)が避暑にやって来た。彼女を迎えるのは30年もの間、その別荘を管理している農婦の豊子(乙羽信子)だ。言葉は乱暴だがきちんと仕事をこなす豊子に、庭師の六兵衛が死んだことを知らされた蓉子は、六兵衛が棺桶に乗せたのと同じ石を川原から拾って棚に飾る。豊子には22歳の娘・あけみ(瀬尾智美)がいた。子供のいない未亡人の蓉子は、あけみを自分の子供のように可愛がっている。翌日、別荘に古い友人の牛国夫妻がやって来る。しかし、夫人の登美江(朝霧鏡子)は痴呆症にかかっており、様子がおかしい。過去と現実が混濁している登美江を元に戻したい一心で、夫の藤八郎(観世栄夫)は蓉子に会わせたのだが、一瞬チェーホフの『かもめ』の一節を蓉子と空で言えたかと思うと、元の状態にすぐに戻ってしまう。と、そこへピストルを持った脱獄囚が別荘に押し入って来た。恐怖におののく蓉子たち。だが、男がひるんだ隙に警戒中の警官が難を救った。そして、蓉子たちはこの逮捕劇に協力したとのことで、警察から感謝状と金一封を受け取る。ご機嫌の蓉子たちは、その足で近くのホテルで祝杯を上げた。翌日、牛国夫妻は故郷へ行くと言って別荘を後にする。やっと落ち着ける蓉子だったが、近く嫁入りするあけみは実は豊子と蓉子の夫・三郎(津川雅彦)との子供だったという豊子の爆弾発言に、またもや心中を掻き乱されることになる。動揺した蓉子は不倫だと言って豊子をなじるが、あけみには真実を隠したままにしておくことになった。そして、結婚式を前にこの地方の風習である足入れの儀式が執り行われた。生と性をうたうその儀式に次第に酔いしれていく蓉子は、早く帰郷して舞台に立ちたいと思うようになった。ところが、そこへ一人の女性ルポライター・矢沢(倍賞美津子)が、牛国夫妻の訃報を持って現れた。驚いた蓉子は豊子を伴い、矢沢に牛国夫妻が辿った道を案内してもらう。二人が入水自殺を図った浜辺で、蓉子は残された人生を充実したものにすると、手を合わせる。別荘に戻った蓉子は舞台用の写真の撮影を済ませると、東京へ帰っていく。豊子は蓉子が死んだ時に棺桶の釘を打つために、以前拾ってきた石を預かるが、いつまでも死なないで強く生きて欲しいという願いを込めて、それを川原に捨ててしまうのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1995年
製作国 日本
配給 近代映画協会
上映時間 112
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