「コミック雑誌なんかいらない!」(1985)

【DVD発売中】

67点67
ピンク映画出身の滝田洋二郎が内田裕也と組んで撮った初めての一般映画。芸能レポーターという特異な存在に焦点を当てながら、事件やスキャンダルを好む現代の大衆を鋭く皮肉っている。そのテーマ性ゆえか、ニューヨーク映画祭で上映され、大きな反響を呼んだ。芸能レポーターのキナメリは、有名人のスキャンダルをハイエナのごとくかぎ回るので有名だ。そんな彼は、当然芸能人にも嫌われ、時に暴力を振るわれたりもするが、少しもひるむことはない。しつこく、あくどく、無神経に他人の生活に踏み込んでいく……。現実の事件の関係者を登場させたり、再現したり、キワモノすれすれの刺激的な映画である。

あらすじ

ワイドショウのレポーター、キナメリは突撃取材で人気がある。妻はコマーシャル・タレントだが、二人の時間帯はまったくかみ合わない。ハードなスケジュールで動くキナメリは、朝食ではパンにビタミン剤をはさんで食べている。その日も、成田から飛び立つ桃井かおりに、放送作家の高平哲郎氏との恋愛についてマイクを向けていたが、まるで相手にされなかった。しかし、ワイドショウの司会者はそのコケにされ方がいいと誉める。キナメリは、あるときは運送屋に変装して人気タレントを追い、バリ島から帰ってきた三浦和義を成田で待ちうけた。町を歩けば娘たちにサインを求められる。ある晩、キナメリは馴染みのバーに入ると、そこにはロックン・ローラーの桑名正博と安岡力也がおり、かつて大麻で捕ったときに、二人はキナメリに手痛い目に合わされたことがあった。二人はキナメリにからみ、店から追い出してしまう。キナメリの表情は思いを内に秘めたようにクールだ。松田聖子、神田正輝の結婚式が近づいており、キナメリは聖子の家に張り込み、彼女が喜びのあまり、風呂場で唄う「お嫁サンバ」を録音することに成功するが、電信柱に昇っているところを警官に捕ってしまう。警察ではこっぴどく叱られ、始末書を書かされるが、プロデューサーはどんどん過激にやれ、後の面倒は局が見るからとキナメリを煽る。キナメリは聖子・正輝の結娘式ではガードマンに殴られ、準備中と札の出ているフルハムロード・ヨシエに入って三浦和義にマイクを向けてコーラを浴びせかけられてしまう。彼は大阪に向かい、山口組、一和会の抗争の取材もする。その頃彼のマンションの隣りに住む老人が、セールス・ウーマンから金を買ったという話を聞く。疑問を抱いたキナメリは独自に、金の信用販売会社を捜索し始めた。その頃、キナメリの取材が行き過ぎということで、彼は夜の番組に移されることになり、風俗産業をレポートすることになる。その番組で、金の信用販売についてレポートしたいとプロデューサーに提案するが相手にされない。夜の新宿を歩くキナメリは、アルタの壁面のビデオで三浦が逮捕されたことを知った。ある日、ホストクラブを取材し、一日ホストを勤めた彼は、ある女に買われホテルに入る。女は激しく体を求め、終ると、金の替りに数百万円の金の証明書を彼に渡した。数日後、テレビのニュースで女がガス爆発で自殺したことを知り、彼はハッとして隣りの老人のドアを叩くが返事はなく、数日分の新聞がたまっていた。日航機の堕落を取材したキナメリは東京に戻り、金の信用販売会社、社長のマンションに向かうと、そこに二人組の男が現れ、取材陣の前で窓を破って中に入ると、アッという間に社長を刺殺してしまう。後を追って中に入ったキナメリも傷を負ってしまう。部屋から出て来たキナメリに、他の取材陣は室内の情況を訊くが、彼は口を開かない。取材陣がキナメリをののしると、彼はポツリと“アイ・カント・スピーク・ファッキン・ジャパニーズ”と呟いた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1985年
製作国 日本
配給 ニュー・センチュリー・プロデューサーズ
上映時間 120
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