「祭りの準備」(1975)

【DVD発売中】

75点75
原作は、脚本も担当している中島丈博のきわめて自伝的色彩の濃い同名の小説。監督は前年「竜馬暗殺」で切れ味鋭い演出を見せた黒木和雄、撮影は黒木作品を数多く手掛けている鈴木達夫が担当している。高知県・中村市の信用金庫に勤める楯男はまだ20歳で、いつの日にか東京へ出てシナリオ・ライターになるのが夢である。楯男には片想いの幼なじみ・涼子がいるが、涼子にサークル仲間の恋人がいると知り、隣家の精神異常の娘と寝てしまう。時がたち恋人に捨てられた涼子は、楯男を安宿へ誘惑。涼子への夢に破れた楯男は東京へ行くことを決心する。俳優としてはデビュー作の江藤潤と、映画デビュー2作目の竹下景子の初々しさ、原田芳雄の人のいいチンピラぶりなどが素晴らしい黒木和雄の秀作。

あらすじ

昭和30年代初め、高知県中村市。沖楯男(20歳)は、この町の信用金庫の外勤係であるが、毎日、東京へ出てシナリオ作家として身を立てることを夢みている。だが、母のときよは女狂いの夫・清馬と別居していて、一人息子の楯男を溺愛するあまり離そうとしない。楯男には心の恋人涼子がいるが、彼女は政治運動に熱を上げており、シナリオを書く楯男にとっては常に片思いの存在であった。楯男の隣の中島一家は、暴れ者の利広と、兄の貞一・美代子夫婦との奇妙な三角関係で成立している。利広が家にいる時は、貞一が刑務所に、貞一が家にいる時は利広が刑務所に、という次第の泥棒一家である。ある日、中島家の末娘タマミが発狂して大阪から帰って来た。若い衆のセックスの対象となるタマミ。楯男は涼子のかなわぬ恋の失意の中でタマミと寝てしまう。数カ月後、タマミが妊娠した。彼女と同棲していた楯男の祖父茂義が子供の父であると名乗り出た。タマミは無事に子供を生んだが、その途端に正気に返った。だがその時からタマミは茂義を激しく嫌悪し、老人は首を吊った。オルグの男に捨てられた涼子が楯男をセックスに誘った。涼子への夢が破れた楯男は、一人、東京へ旅立つことを決心した。駅の待合室で楯男は、殺人容疑で追われている利広に出会った。「バンザイ!バンザイ!」利広一人の歓声に送られて、楯男は故郷を旅立っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1975年
製作国 日本
配給 ATG=映画同人社=綜映社
上映時間 117
チケット 前売りチケットを購入する