「夜がまた来る」(1994)

【DVD発売中】

58点58
宿命のように堕ちていく男女関係のなかに男の献身と女の強靭さを描き込む石井ワールド、充実一途の秀作。名美は麻薬Gメンの夫を横流しの濡れ衣を着せられたまま殺されたうえ、組員たちにレイプされ、後追い自殺を図る。それを救った組員の一人、村木。村木に惹かれながら復讐に燃える名美はクラブホステスになって組長に近づくが……。悪夢から目覚めると、そこには悪夢。そんな明けない夜の物語を、酷使され追いつめられてツヤを帯びる女優の肉体に、石井監督は刻み込む。夏川結衣が体当たりの好演、彼女を支える根津甚八がいぶし銀の味をみせる。

あらすじ

おとり捜査のため池島組に潜入していた麻薬Gメン、土屋満の死体が横浜港に浮かんだ。殉職どころか、汚職の嫌疑をかけられ犬死にした夫の無実を信じるのは妻の名美だけ。しかも彼女は満の葬式の日、池島組の組員たちにレイプされる。名美は絶望のあまり自殺を図るが一命を取りとめ、そして夫殺しの犯人は池島組会長である池島政信であると睨み、池島の命を狙おうとする。だが別の鉄砲玉が池島に襲いかかる場面に遭遇、そこで村木哲郎に出会う。池島を殺すことに失敗した名美はまたもや自殺を図るが、村木に助けられ、池島組にかかわるのは止めろと忠告される。しかし、村木と名美は池島組の幹部とクラブホステスとして再会する。村木の心配をよそに池島に接近する名美は池島の情婦となっていく。ある夜、ベッドの隣りに眠っている池島を名美は殺そうとして失敗、激怒した池島によって囚われの身になり、村木の舎弟である柴田にいたぶられる。そこでも村木の仲介で名美は命までとられなかったものの、シャブ漬けにされ、場末のバーに売られる。すっかり変わり果て、荒んだ毎日を送る名美を助けだし、介抱してやったのはまたもや村木だった。立ち直った名美は村木に銃の撃ち方を教えてほしいと頼む。お互いの心の傷をなめあうように、2人はいつしか愛し合うようになっていった。そしてある日、池島組に警察のガサ入れが入った。村木に誘導され、屋上に逃げた池島の前に拳銃を持った名美が現れる。夫を殺した犯人の名を問う名美が油断した隙に銃を奪い、名美を追い詰める池島。その時、池島に向けられた村木の銃が火を吹いた。さらに組長を助けようとやって来た柴田と村木は壮絶な死闘を繰り広げるが、村木は何とか柴田を倒す。だが、その村木が持っていた銃が夫のものであったことから、名美は村木こそ夫を殺した男であることを知る。村木もまた、満よりずっと前から池島組に潜入していた刑事であり、自分の身を守るためやむを得ず満を殺したのだった。真相を知った名美は泣き叫びながら、近づいてくる村木を撃ってしまう。斃れた村木を抱きしめる名美。そして夜が明けようとしていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1994年
製作国 日本
配給 アルゴ・ピクチャーズ=キングレコード=テレビ東京=ビデオチャンプ
上映時間 108
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