「キリコの風景」(1998)

65点65
「失楽園」の森田芳光のオリジナル脚本を映画化したSF風のほろ苦い恋愛劇。函館を舞台に、超能力を駆使して、別れた妻を探す男の悲哀を綴る。主演は「ビリケン」の杉本哲太。

あらすじ

北海道・函館空港に降り立った村石は、何かに引き寄せられるように西川という男が運転するタクシーに乗り込むと、マンションを見て回りたいからと一日貸し切りを申し出た。当惑しながらも西川は友人の不動産屋・海田を紹介し、3人の奇妙な部屋探しが始まる。ところが、村石は海田が紹介する先々で住人たちの歪んだ心を言い当て、ヒーリングを始めたのである。初めは訝しげに村石を見ていた西川と海田も、次第に彼の不思議な力と人柄に魅せられていく。実は、村石には空の消化器を訪問販売で売るという詐欺で逮捕された前歴があり、その不思議な力も刑務所の中で培われたものらしいのだ。そして、改心した今はその力を使って心の病んだ人たちを助けて回っているという。ところで、村石の本当の目的は数年前に別れた妻・霧子を探すことにあった。霧子は、村石が刑務所に入っている間に家を出ていってしまっていたのである。函館に来て3日目、漸く霧子の住むマンションを見つけだした村石は自分が改心したことを話すが、彼女は他の男と暮らしていて村石とやり直す気のないことを宣言する。そもそも、霧子は村石が刑務所に入れられたことに愛想を尽かしたのではなく、その前の生活から既に愛を感じなくなっていたのだ。村石にさよならを告げる霧子。だが、ふたりが会っている現場を、霧子の現在の夫である西川が見ていた。ふたりの関係を知った西川は、村石が西川のタクシーを選んで乗ったのも全て最初から村石が仕組んだのではないかと疑うが、村石はかえってその偶然に運命的なものを感じる始末。結局、霧子への想いを断ち切れないまま、函館滞在の最後の夜、村石は霧子と共にベイエリアを散歩することになる。ところがその途中、突然村石の頭に火事の映像がひらめくのであった。せめて、自分の不思議な力を霧子に見せたいと思った村石は、しかし火災現場を言い当てることは出来たものの、犯人は見当違いの人物だったことに愕然となるのだった。「不思議な力をもってしても既に失った愛を取り戻すことが出来ない」。そのことを悟った村石は、ひとり東京へ帰っていく。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1998年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 105
公開日 1998年7月25日(土)公開
カテゴリ ラブ・ストーリー
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