「南の島に雪が降る〈1995年〉」(1995)

90点90
1975年に死亡した俳優、加東大介が自らの戦争体験をまとめた原作をもとに映画化。1995年、ニューギニアのジャングルで日本兵の須藤が発見され、戦友の叶谷が迎えに行く。迎えのヘリを待つ間、須藤はなぜジャングルに残ったかを話し始めるのだった。戦争が終わったことを知った時、仲間を戦死させた司令官たちを殺し、自決するという村井中尉と須藤は対立、須藤の説得に負けた村井はその場で自決してしまう。そのことで、須藤はこの地に一人残り、仲間の霊を慰めることを決意したのだった。

あらすじ

1995年、ニューギニアのジャングルに旧日本兵の生き残りがいるという噂がたった。「ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア」と言われたほど苛酷な戦地だったニューギニアから生還した叶谷は、現在は車椅子の生活を強いられながらも、それが戦時中世話になった須藤軍曹であることを信じ、娘の知美らを伴ってニューギニアへ赴く。噂通り日本兵は存在し、それは須藤だった。ところが同行した現地兵の勘違いから重症を負ってしまった須藤は、迎えのヘリコプターを待つ間、叶谷にどうして自分が日本へ戻らなかったのか、50年前の出来事を語り始めるのであった。1945年、マヤサルミ戦線にいた衛生兵・須藤は役者だった経歴を買われ、兵隊の慰問と士気高揚を目的とする演芸分隊の編成を命じられる。早速オーディションが行われ、それぞれに才能のある面々が集合。“マヤサルミ歌舞伎座”と名付けられた小屋も建てられ、一座は柿落とし公演の演目『瞼の母』の稽古を開始するのであった。そして初日、女形や元歌手の登場もあって芝居は大成功のうちに幕を閉じ、演芸分隊はまたたくまに人気者となる。しかし、須藤は死を目前に控えた兵士たちに、生きる喜びや故郷や家族のことを想い出させる芝居をみせることに矛盾を感じ始めるのだった。そんな矛盾に悩みながらも芝居を続ける須藤に、演芸分隊解散の命令が下る。戦況が悪化してきたのだ。須藤たちは最後の芝居で、雪の出る芝居が見たいと言って死んでいった白根伍長との約束を果たすため、舞台いっぱいに大雪を降らせる。偶然その時の観客は東北地方出身の部隊で、涙の公演となるのだった。翌日、マヤサルミ歌舞伎座は演芸分隊の手によって焼却された。この時、皮肉にも空から雪の如くアメリカ兵の撒いた終戦を知らせるビラが降って来る。ところが数日後、須藤は、死んでいった兵隊たちの霊を残して日本へは帰還出来ないと言う村井中尉と対峙することになった。兵隊たちを死に追いやった責任を取るために司令部将官全員の殺害と自決を決行すると、追い詰められたように計画を話す村井中尉を阻止しようと、須藤は銃口を村井中尉に向けた。しかし、須藤の説得に気圧された村井は自ら命を絶ってしまう。それを見た須藤は、死んでいった仲間たちの霊を慰めるために、一人この地に残ることを決意したのだった。全てを語り終わった須藤は叶谷と手を取り合いながら、まだ来ぬヘリコプターを待ちながらそっと息を引き取った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1995年
製作国 日本
配給 リバース=田崎真珠
上映時間 134
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