「丘を越えて」(2008)

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54点54
『父帰る』の作者として知られる作家・菊池寛と、彼女の私設秘書となった女性、そして朝鮮の貴族出身の青年を主人公に描く文芸ドラマ。ベテラン高橋伴明監督が昭和初期の東京の街なみや風俗を再現し、華麗な劇世界を構築している。西田敏行、西島秀俊、池脇千鶴ら実力派出演陣が見せる絶妙なやりとりを盛り上げる昭和歌謡の数々にも注目だ。

あらすじ

日本に地下鉄が開通、映画館が立ち並び、自動車や洋服、そして女性が仕事をすることがまだ珍しかった昭和初期。江戸情緒の残る東京・竜泉寺町に育った細川葉子(池脇千鶴)は女学校を卒業し、就職のために文藝春秋社の面接を受ける。不況の折、採用の枠はなかったが、葉子は文藝春秋社社長であり著名な作家でもある菊池寛(西田敏行)の目に留まり、個人秘書としての職を得る。下町育ちの葉子に、菊池たちが過ごす世界はまぶしかった。銀座の街、帝国ホテル、ダンスホール、菊池にからむ女性たち。矛盾をまるごと抱え込んだような巨人、それでいて破格の人情家でもある菊池に憧れを抱く葉子。老境を迎えつつある菊池は、金では買えない葉子の魅力にかけがえのないものを感じ、恋に落ちる。その一方、葉子は菊池の元で働く若い美男の編集者、馬海松(西島秀俊)にも惹かれていく。朝鮮の貴族出身で、日本に留学して菊池の知遇を得た馬。彼は一見、遊び人を気取っているが、心の中ではいずれ母国に戻り、新しい朝鮮を作りたいと野心を燃やしていた。そんな馬の若さと野心は彼女の胸をときめかせる。対照的な二人の男の間を揺れ動く葉子だったが、彼女は少しずつ成長し女流作家になりたいという自分自身の夢を抱く。やがて満州事変が勃発。戦争の足音が聞こえはじめると、馬は母国の独立のため、朝鮮に帰る決意を葉子に伝えるのだった。行く手に嵐を予感しながらも、菊池も葉子も馬も、自分自身の人生を歩もうとするのだった……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2008年
製作国 日本
配給 ゼアリズエンタープライズ=ティ・ジョイ
ヘッド館 シネスイッチ銀座、新宿バルト9他
上映時間 114
公開日 2008年5月17日(土)公開
カテゴリ 人間ドラマ
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