「夏の庭 The Friends」(1994)

73点73
神戸に住むサッカー少年の諄、メガネ小僧の河辺、デブの山下は、同じ学校に通う小学6年生の仲良し3人組。その夏、彼らは“人が死んだらどうなるか“という好奇心から、近所の“いかにも死にそうな“一人暮らしのおじいさんを見張ることを決めた。世捨て人のように暮らすその老人・傳法喜八は、初めこそ子供たちを邪険に扱うものの、次第に優しい素顔で接するようになる。子供らはゴミだらけの庭を片づけてコスモスを植え、廃虚のようだった家にきれいなペンキを塗った。4人はすっかり友達のようになり、おじいさんの哀しい戦争体験を聞き、別れた奥さんとの再会のために奔走するが……。「お引越し」に続いて、相米慎二が関西で撮ったキッズムービー。例によってオーディションで選ばれた3人の少年たちが、実にいきいきとした演技で笑わせ泣かせる。また子供らに随所で食われまくるものの、互角に渡り合う三國連太郎もさすが。

あらすじ

小学6年生のサッカー仲間、木山諄、河辺、山下の3人は、ふと人の死について興味を抱き、近所に住む変わり者の老人・傳法(でんぽう)喜八に目をつけ、彼がどんな死に方をするか見張ることにした。荒れ放題のあばら家にひとり住む様子を観察する3人に気づいた喜八は最初は怒り出すが、やがてごく自然に4人の交流が始まる。老人の指示通り子供たちは庭の草むしりや家のペンキ塗りを行い、庭にはコスモスの種を巻き、家は見違えるようにきれいになっていった。子供たちは喜八から、古香弥生という名の女性と結婚していたが別れたという話や、戦争中、兵隊をしていた時にジャングルの小さな村でやむを得ず身重の女の人を殺してしまった話などを聞く。3人は喜八の別れた妻を探し出すことにし、やがてそれらしき人を探し当て老人ホームに訪ねるが、部屋には担任の静香先生がいた。先生は何と弥生の孫だった。弥生はボケているのか夫は死んだと答えるばかりだったが、静香は喜八は自分の祖父に違いないと確信し、彼を訪ねる。だが喜八もそれを否定した。そんなある日、子供たちはサッカーの試合の帰りに喜八の家に寄ってみると、彼は既に息絶えていた。葬儀の日、3人の子供たちや市役所の職員、遺産のことばかり気にする甥の勝弘らが見守る中、静香に連れられ弥生がやって来る。じっと棺の中の喜八の顔を見つめていた弥生は、生きている相手に向かうかのように正座して「お帰りなさいまし」とお辞儀した。数日後、取り壊しを控えた老人の家を訪ねた子供たちは、暗い井戸の底からトンボや蝶、ホタルが次々と飛んでいくのを目撃する。それはまるでおじいさんが3人に別れの挨拶をしているかのようであった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1994年
製作国 日本
配給 讀賣テレビ放送
上映時間 113
チケット 前売りチケットを購入する