「動脈列島」(1975)

【DVD発売中】

58点58
新幹線がもたらす公害に抗議し、これを爆破しようと狙う若者と、それを阻止する警察側との息詰まる駆け引きを描いた極上のサスペンス映画。日本推理作家協会賞を受賞した清水一行の原作を、増村保造がスピーディーな画面展開で映像化。近藤正臣が迫真の演技を見せる。

あらすじ

新幹線ひかり号にニトログリセリンを使用した爆発物と脅迫状が発見された。新幹線による騒音と振動を除去しなければ、10日後に列車を転覆させる、というのだ。つづいて翌日、豊橋駅構内で同一人物の犯行と思われる脱線事故が発生した。国松警察庁長官は、警察庁犯罪科学研究所々長の滝川保を、この事件の捜査本部長に任命した。犯人の要求が名古屋の公害訴訟原告団と類似しているのを知った滝川は、新幹線公害の科学的根拠をレポートした医師・秋山宏に目をつけた。名古屋中央病院臨床研究医の秋山は、恋人の薬剤師・君原知子にニトログリセリンを持ち出させた後、ヨーロッパ旅行に出かけると告げ、姿を消していた。だが、ヨーロッパ旅行に行ったのは、秋山のイトコで、さらに秋山の指紋と脅迫状の指紋が一致したために、捜査陣は秋山を犯人と断定した。その頃、秋山は新幹線と平行した高速道路上にて、音波発信器によって、走って来たこだま号にスピード零の音波を拾わせ、こだま号を停止させた。犯人の相次ぐ挑戦に、滝川はついに公開捜査に踏みきった。医師への不信感から看護婦をやめスナックのホステスになっている芙美子は、秋山を指命手配中と知りながら自分のアパートに誘った。彼女の挫折感が青年医師への共感となったのだ。一方、国鉄、動労から予告日の勤務を拒否された長田国鉄総裁の自宅に秋山が現われ、公害の根源的な解決を迫った。このやりとりを盗みどりしたテープをテレビ局に持ち込んだ秋山は、芙美子の運転する車で、実行場所である坂野坂トンネルの下見をし、ブルドーザーを近くに停車させた。実行予告日、新幹線は走ることになった。厳重な警戒網を突破した秋山はトンネル近くに潜んだ。一方、ブルドーザーは捜査陣に発見され包囲された。滝川と、連行されて来た知子は犯行が失敗した事を秋山に呼びかけた。その時、突然ブルドーザーが線路めがけて動き出した。無線操縦だったのだ。だが、しかし間一髪のところで、運転席に飛び込んだ刑事がキイを抜いた。姿を現わした秋山は、力を失い、よろめく足どりで滝川に向って近づいた。知子は秋山の胸にしがみつき泣きじゃくるのだった……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1975年
製作国 日本
配給 東京映画
上映時間 121
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