「棚の隅」(2006)

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62点62
『恋文』などの映画化作品でも知られる直木賞作家・連城三紀彦。彼の短編を原作に、家族や夫婦の哀歓を丹念に見つめた大人の映画が誕生した。別れた前妻と、連れ子を実の息子のように包み込む現在の妻との間で心を揺らす主人公を大杉漣が味わい深く好演。監督は『ささやかなころ』で水戸短編映画祭グランプリに輝き、本作で劇場監督デビューの門井肇。

あらすじ

ある雨の日。小さなおもちゃ屋を営む康雄(大杉漣)の店に、ひとりの保険外交員が現れる。それは八年前、康雄と別れた妻――正確には男をつくり、夫と幼い息子・毅(今井悠貴)をおいて、蒸発同然に家を出ていった前妻の擁子(内田量子)だった。最近、康雄の店の界隈を担当することになった彼女は、ばったり顔を合わす前に挨拶をしにきたと告げる。そして棚の隅から売れ残りの古いおもちゃを買って出ていった。以来、擁子はたびたび康雄の店を訪れる。そしていつも同じように、売れ残りのおもちゃを買っていくのだった。今は再婚し、息子は継母の秀子(渡辺真起子)に実の母親以上になついている。慎ましくも幸せに満ちた平穏な生活を過ごしている康雄は、突然あらわれた元妻の不可思議な行動に心さわぐ。一方の擁子は、新たな恋人・進藤(榊英雄)との生活に割り切れないものを感じていた。深い愛情で包み込んでくれる進藤の求婚を、素直には受け入れられない自分がいる。彼女の心の中には、残してきた毅の面影が強く刻まれていた。そしてわが子への思慕が、もう再び元には戻れないとわかっていながらも、彼女を康雄の店へと向かわせていたのだった。そんなただならぬ事情を薄々察しつつ、ひとりの客として擁子を迎える秀子。擁子は秀子に、遊園地のチケットをプレゼントした。そして進藤もまた、過去に引きずられる擁子の行動に気付き、康雄の存在を突き止める。そんな中、経営難から店をたたむことを決めた康雄。壊れたラジコンの飛行機を夜を徹して修理し、毅とともに大空へ舞い上がらせたその夜、康雄は秀子に新しい仕事を探すことを切り出す。秀子は、夫が逃げるわけではないことを確認した後、この苦渋の選択を受け入れる。休日の遊園地。そこには久しぶりの一家団らんを過ごす康雄たちの姿があった。また進藤に連れられて擁子も同じ場所に来ていた。進藤は、擁子が過去を清算できるよう、康雄の元へ送り出す。一方の康雄も、ずっと心の隅に置き忘れていた思いを、擁子に告げる機会を待っていた。ついに康雄と擁子が言葉を交わすときが訪れる。康雄は擁子を観覧車に誘った。そして高みへのぼっていくゴンドラの中で、康雄は溢れる想いを口にする……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2006年
製作国 日本
配給 リトルバード
ヘッド館 シネマアートン下北沢
上映時間 81
公開日 2007年3月17日(土)公開
カテゴリ 人間ドラマ
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