「東京ド真ン中」(1974)

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宍戸錠が風来坊に扮し、片想い、失恋、傷心の旅立ちという“男はつらいよ“を完全に意識した人情喜劇。独立した作品としてよりも、パロディとして捉えると面白い見方ができる。もちろん渥美清も寅さん的キャラクターで登場、大いに笑わせてくれる。

あらすじ

高台に建ち並ぶ住宅街を下っていくと、現代からポツンと離れて、どことなくのどかな古い商店街が、谷底の一画のようにゴチャゴチャと続いている。福太郎は“玉の湯”のおやじ、庄吉は床屋のマスター、善造はインチキくさい風流な古道具屋である。その善造の所へ、高校教師の兵頭が下宿することになった。善造の家の裏手に住んでいる左官屋の安夫は、偶然にも以前の教え子たった。再会を喜びあう二人が、近くの来々軒で食事をしたところ、この店のお琴ちゃんに兵頭が一目惚れしてしまった。活発な下町娘の彼女は、母が病気で寝こんでいるため、一人で店をやっていたが、とうとうその母が他界してしまった。近所の人々はお琴の身のふり方を案じた結果、庄吉のところで働いているライオンに来々軒の手伝いをさせることにした。さて、目白の屋敷で仕事をしている安夫は、そこのお嬢さんの里子に恋をした。そんな安夫のことを心配した妹の友子は善造に相談するが、話を聞いていた善造はついにタンカを切った。「そんなに一緒になりたきゃ、さらって来い!」屋敷で最後の仕事の日、安夫は本当に里子をさらってしまった。まわりの大騒動をよそに、安夫は自分の気持を、ありったけの情熱をこめて語った。最初は興奮して泣いていた里子だったが、気が落ちつくと安夫の愛を素直に受け入れた。一方、兵頭は、お琴への熱が増すばかりで、来る日も来る日も来々軒通いが続いていた。安夫と里子の話を正式に煮つめるべく、善造は安夫の叔父で大工の棟梁・金之助に頼んで屋敷に行ってもらった。しかし、金之助は「職人風情には娘をやる訳にはいかない」と言われて喧嘩をしてしまった。やけ酒をあおり、荒れている安夫の所へ、友子がかけこんできた。里子が家を飛び出したのである。夜の坂道を、安夫は血相を変えて飛び出して行った……。今日はいよいよ安夫と里子の結婚式。次々と出席者の挨拶が続く。兵頭の挨拶が始った。真赤な顔をして、あがってしまった兵頭。「安夫君……どうかお琴さんを幸せにしてあげて欲しい……」お琴を思いつめた挙句の、失言だった。一同は驚いたが、お琴は初めて兵頭の気持ちを察し、ありがたく思った。兵頭はそれだけ言っでしまうと、さっぱりした気持で、一人静かに会場を出て行った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1974年
製作国 日本
配給 松竹
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