「打倒〈ノックダウン〉」(1960)

40点40
トニーこと赤木圭一郎主演による日活得意のボクシング映画。拳闘クラブの会長は、大学のボクシング部で有望な新人を発見する。最初拒絶するが、彼の兄が悪玉の陰謀で研究所をクビになり、研究資金を稼ぐためにプロになる。この作品は日活十八番のボクシング映画のルーティン通りに作られた平凡な作品だが、クライマックスのタイトルマッチにおける白熱したファイト・シーンは、本編の凡庸さを補なってあまりある迫力。トニーは筋肉質の引き締まった肉体をキビキビした動きで、日活スター中随一のボクサーぶりをみせた。

あらすじ

チャンピオン白坂に打たれて大山がダウンして以来、野中拳会長野中の夢は破れた。数日後、スポーツライターに誘われて京南大のボクシング部を訪れた野中はレクリエーションにボクシングをやるという高野昭に目をつけた。そしてその強烈なパンチとファイトにもう一度夢をかけることにした。亡父の遺志をついで兄の雄介と共に電気工学の道に入るという昭はプロ入りを断った。昭が女子学生ひろ子とナイトクラブに出かけた夜、雄介が愚連隊に襲われた。自首して出た加害者という男が替玉で、真犯人が元ボクサーの石垣であることを知った昭は石垣を倒した。昭は無期停学になり雄介も新しい設計が盗作だという理由で会社をクビ同様にされた。自由を欲する昭はあくまで野中の申し出を断り、野中もいさぎよく諦めた。雄介傷害事件の張本人が、昭を経済的窮地に追い込んで勧誘しようとする部下の中原であったことを知った野中は怒ったが、二人の話をきいた昭は野中の潔白を知り、プロ・ボクサーになる決心をした。雄介は悲しんだが、野中の叱咤のもとに昭ははげしい練習をつんだ。そして相手を次々にKOした昭はゴールデン・ボーイと騒がれ、野中の野望は燃えた。祝盃をあげる昭を従妹の美知子が訪れたが、ひろ子は故意に媚態をつくして美知子をうとんじた。昭の進撃は凄じく、二十連勝ののち、ウエルター級チャンピオン白坂とのタイトル・マッチが調印された。大山はそんな昭を嫉んだ。決戦のときは来た。若い昭の気負いは老巧白坂の思うツボであり、昭は白坂のパンチに何度もマットに這った。最終ラウンド、両眼ははれあがり血だるまになった昭のパンチが白坂をたたいた。ダウン、白坂はついに立ち上らなかった。しかし昭も意識を失って倒れた。両眼失明寸前という昭に、医師は昭のボクサー生活が終ったことを宣告した。野中の絶望、ひろ子は去った。制止する美知子をふりきって訪れた昭の目の前で白坂は死んだ。やがて病院を出た昭の心は、不思議に明るく強い希望にもえていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 82
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