「祝の島」(2010)

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28年間にわたり原子力発電所建設に反対を続ける、島民の暮らしに密着したドキュメンタリー。島民に魅了された、纐纈あや監督のデビュー作で舞台は山口県にある小さな島。建設予定地周辺は瀬戸内海有数の漁場であり、天然記念物や絶滅危惧種の宝庫。原発を意識しながらも1000年に渡るその土地での営みを続ける彼らの姿を捉えていく。

あらすじ

1000年前、沖で難破した船を助けたことから農耕がもたらされ、現在に至るまで命をつないできた小さな島がある。瀬戸内海有数の漁場、周防灘と伊予灘の間に位置する山口県上関町祝島。関西と九州の国東半島を結ぶ最短航路上にあり、奈良時代から海上交通の要衝となる寄港地だった。古代よりこの島には、航海安全を祈願し、豊かな海への感謝を捧げる神官の祝(ほおり)がいたとされ、神霊の島とも呼ばれた。瀬戸内海を行き交う船が危険に遭遇した時は、この島に向かって一心に祈ると、島は霊光を発して行く先を照らしたという。だが、台風が直撃することも多く、かつて“岩井島”と呼ばれた岩だらけの土地には、確保できる真水も限られ、決して生活しやすい環境とは言えない。それでも周辺の豊かな海での漁業を産業の基盤とし、昭和30年代には人口3000人を超えるまでに発展を遂げた。しかし現在は人口が500人程度まで減少。加えてその70%が65歳以上という深刻な高齢化と過疎化の問題を抱えている。その中で人々は、海がもたらす豊穣な恵みに支えられ、岩山を開墾、暮らしを営んできた。そして互いに助け合い、分かちあう共同体としての結びつきが育まれた。人間の営みが自然の一部であることが、祝島でははっきりと見える。“海は私たちの命”と語る住人。だが1982年、島の対岸3.5kmの田ノ浦に上関原子力発電所建設計画が持ち上がる。“海と山さえあれば生きていける”と祝島では住民の9割が反対を表明。以来28年間、島を挙げての原発反対運動が続いている。効率と利益を追い求める社会が生み出した原発と、大きな時間の流れと共にある島の生活。原発予定地と祝島の集落は海を挟んで向かい合う。1000年先の未来が今の暮らしの続きにあると考えたとき、私たちは何を選ぶのか。命をつなぐ暮らし。祝島には数多くのヒントがある。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2010年
製作国 日本
配給 サスナフィルム
ヘッド館 ポレポレ東中野
上映時間 105
公開日 2010年6月19日(土)公開
カテゴリ ドキュメント
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