「任侠外伝 玄海灘」(1976)

【DVD発売中】

30点30
アングラ演劇の雄、唐十郎が初監督したサスペンス人間ドラマの異色作。かつて朝鮮で女を殺し、その死体を犯した近藤と沢木。今や沢木はヤクザの代貸しとなり、近藤は韓国から密航してくる女を売りさばく運び屋だった。ある日、近藤は密航者の中に、かつて殺した女と瓜二つの女性を発見するが……。

あらすじ

はるか朝鮮半島の黒い島影がのぞめる玄海灘。一匹狼を自認する近藤とその舎弟分の田口は、東京に本拠を持つ沢木組の代貸・沢木の指令を受けて密航して来た韓国の女達を中央に売りさばく仕事を請け負った。沢木がこの儲けの多い仕事を組員でもない近藤に任せているのには、理由があった。−−25年前、朝鮮戦争のさなかの昭和26年、当時学生だった沢木と近藤は、横浜で死体処理のアルバイトをしていたのだが、ふとしたきっかけで、朝鮮へ行く事になり、アメリカの軍属として釜山で働く事になった。そして二人は、アメリカ軍属という特権で、米国兵や韓国兵の認識票を手に入れ、暴虐の限りをつくした。そんなある日、沢木が女を締め殺し、死んだ女を近藤が犯した。怨みをこめた表情を残して横たわる女が、ぞっとする程美しかった。以来、近藤の脳裏にはその姿が焼きつき、女を抱く気になれなくなった。そして自分の部屋に認識票を飾り、それを眺めながら毎日が過ぎていった。沢木と近藤は、そんな暗い秘密で結ばれていたのだった−−。仕事は順調に進んでいた。沢木組の組員たちは、密航して来たた女を廃工場に集め乱交パーティを始めた。その中に李孝順という美しい女がいた。田口は彼女がヤクザに襲われると何故か助けた。その行為は、自分が不能の為の腹いせなのか田口自身わからなかったが、以来、二人は急速に接近した。ある日、李孝順が田口をアパートに訪れ、田口が部屋を留守にした時、近藤が戻って来た。近藤は李孝順が数年前の女と瓜二つなのに驚き、彼女に襲いかかった。一方、李孝順とともに密抗して来て、なにかと彼女につきまとう金田という男がいた。金田は近藤に復讐するためにやって来たのだ。金田は25年前のあの女の愛人で、李孝順こそが、あの時の近藤の子供なのだ。女は仮死状態から一日後に息をふきかえし、十カ月後に鬼の子を産んだのだった。……二度月の蜜航の仕事が海上保安庁に発見され、失敗した。重傷を負って浜に逃げた近藤の前に、金田が立ち塞がり、彼に全てを話した。青ざめる近簾……。一方、田口は今度の失敗で沢木の信用をすっかり落とした近藤を救おうと沢木の重要書類を奪うが、逆にますます沢木と近藤のヒビを広げる結果となった。やがて、浜辺で沢木と近藤が決闘し、共に倒れた。これを崖の上から見ていた金田は、二人の死を見届けてから、自ら崖の上より飛び降りた。その頃、田口から重要書類を預っていたために沢木の手下に殺され、ドブ川に浮かんでいた李孝順の屍を抱きしめながら、田口が慟哭していた……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1976年
製作国 日本
上映時間 122
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