「獣の戯れ」(1964)

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三島由紀夫の同名小説を原作に、ある女と男の奇妙な共同生活が描かれる恋愛悲劇の問題作。当時大映のエース女優であった若尾文子が、危うい壊れかけの女を、抑えた演技で好演した。優子と逸平の夫婦と、逸平が社長を務める会社でアルバイトする学生、幸二が主な登場人物。逸平は度々、優子に家庭内暴力を振るっていた。それを見かねた幸二が、逸平を殴り、半身不随の身にしてしまう。やがて幸二が出所後、3人は同居することに。

あらすじ

草門優子は、夫の逸平が、乱行をきわめているにもかかわらず、一言も文句を言わない、貞淑な妻であった。幸二はそんな逸平が社長であった「美陶苑」でアルバイトをしていた学生だが、優子が逸平に虐待されているのを知り同情にも似た思慕を感じるようになっていった。ある日、逸平のあまりの乱行をみかねた幸二は、逸平の浮気の現場に優子を連れていった。しかし逸平は、すがりついて哀願する優子を逆になぐりつけた。怒りに燃えた幸二は持っていたスパナで逸平をなぐりつけ、不具の身としてしまった。そんな幸二に同情した優子は、服役を終って出所した、よるべのない幸二を、伊豆の別荘にむかえた。それから、三人の奇妙な同棲生活が始った。失語症の上、半身不随になった逸平は、すっかり人が変ってしまい、放心したような微笑を絶えずうかべていた。そんな逸平を優子は毎日散歩につれていくのだったが、あるとき優子に客が来て幸二がかわって逸平を散歩につれだした。そして途中、幸二は優子を愛していることを告白し、逸平のみだらな生活をなじった。しかし、逸平はただ「死にたい」というだけだった。その夜、伊豆は暴風雨となった。夫の寝言で眼をさました優子は、押えきれぬ欲情に身をまかせて幸二に迫った。しかし、幸二はふとふりかえった隣の部屋から、逸平が放心した微笑をうかべて二人をみつめているのを見て、夢中で逸平にとびかかった。暴風で明滅する光の中に逸平の冷いむくろが、横たわり、その前で激しく抱き合う幸二と優子の姿があった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1964年
製作国 日本
配給 大映東京
上映時間 94
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