「カポネ大いに泣く」(1985)

【DVD発売中】

66点66
「悲愁物語」の大失敗から8年後、鈴木清順が再び松竹でメガホンを執った作品。しかし、「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」と続いた前作、前々作が大正ロマンを見事に再現した美しいセットの中に絢爛たる美学を散りばめてみせたのに対し、なんとも安っぽいセットを使って撮られたこの作品は、再びあの玄妙な清順世界を期待した観客たちに肩すかしをくらわせた。昭和初期の浪花節語りがアメリカに出かける話だが、“海外ロケができたって別に変わりはしない“という清順はハリボテ、カキワリのアメリカを涼しい顔ででっち上げる。賛否両論分かれる作品だが、清順自身はあいかわらずマイペースであった。

あらすじ

昭和初期、芸者の小染は、旅回りの役者の順之助、のちの桃中軒海右衛門と出会い、深い仲になる。小染は、昔、旦那の目を盗んで浮気をしたことがバレ、背中に蛸の刺青を彫られてしまった。順之助は浪花節語りの桃中軒雲右衛門に憧れ、一座を逃げ出したのだ。小染の旦那が監獄から出ることになり、一方、一座も順之助を連れ戻しに来たので、二人はサンフランシスコに逃げた。浪花節で日本人移民を慰問するという気宇壮大な出発だったが、口入れ屋にだまされ、有り金は底をつき、小染のアクセサリーも賭博で取られ、小染は女郎に、海右衛門は乞食になる。そんな時、二人は大西鉄五郎<通称ガン鉄>と出会う。ガン鉄は横浜ハウスに巣喰う快男児で、街頭で狼花節をうなる海右衛門を見かねて、高級ナイトクラブに連れていさ、浪花節は通用しないと、新しいショーを見せた。そこで踊っていたダンサーのリリアンが和服の海右衛門をサムライ!と一目惚れしてしまう。その頃のサンフランシスコは中国人、日本人など様々な人種が入り乱れる欲望の街で、シカゴのギャング、カポネも西部進出を狙い、弟のフランク・カポネを派遣して来た。フランクはサンフランシスコの密造酒を独占しようとし、一方、ガン鉄、海右衛門、小染たちも、つくり酒屋の息子だった海右衛門に“シスコ正宗”を作らせて対抗する。三人はシカゴに行ったりするが、だんだんと追いつめられていく。そんな中で、小染は自動車事故で死んでしまう。さらにガン鉄もフグを食べて中毒死。海右衛門はリリアンに介錯させ切腹するのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1985年
製作国 日本
配給 日本コロムビア=ケイエンタープライズ=システムジャパン
チケット 前売りチケットを購入する