「惜春鳥」(1959)

77点77

あらすじ

会津の飯盛山、白虎隊の墓前で、一人の青年が吟ずる“少年白虎隊”の詩にあわせて四人の青年が剣舞を舞っていた。詩を吟じているのは会津塗りの下職をやっているビッコの馬杉彰、舞っているのは大滝旅館の息子・峯村卓也、工場に働く手代木浩三、“サロンX”の息子・牧田康正、それにアルバイトしながら東京の大学に通っている岩垣直治の四人。岩垣の帰郷を機会に久しぶりに旧交を温める五人だったが、彼らの胸には幼き日の友情と現在のそれぞれの境遇の変化からきた感情の食違いが複雑に流れていた。というのも岩垣は出資者・鬼塚の家の女中と変なことになって追出されてきたのであり、そんな彼を手代木は冷く責め、馬杉は生一本にかばっていた。康正の家にも東京から叔父の英太郎が転りこんできていた。彼は土地の芸者みどりと駈落ちしたが、みどりは芸者屋の女将に連れ戻され、彼自身は胸を患っていた。康正の母・米子は質屋の桃沢悠吉の妾で英太郎にいい顔をしなかったが康正はこの叔父が好きで、再び芸者をしているみどりと会わせてやりたいと思った。がみどりは近く鬼塚の妾になる身の上だった。そんなある日、桃沢家に、悠吉の妻・たねの姪で養女にしていた蓉子に婿養子をもらう話が鬼塚の肝いりで持上った。相手に見込まれたのは手代木である。ところが蓉子は康正を慕っていた。康正は本妻と妾の子といったお互いの関係から蓉子を諦めていたのだが……。手代木は蓉子と見合する前に、友達として康正に一言断りに来たが康正は是認するほかなかった。しかし見合の日、蓉子は「康正さんが好きです」と座を立った。そんなところへ、鬼塚のもとへ電話があり岩垣が詐欺の共犯で追われていることがわかった。鬼塚は岩垣の処置を手代木ら四人との友情を考え彼らに任せた。四人は岩垣を逃そうとした。が、金に困った末、卓也の時計を盗んで逃げようとする岩垣を見た手代木は、怒って警察へ電話した。卓也がそれを止めようとしたが岩垣は遂に警察に捕った。数日後手代木の行動を友人として許せないと馬杉は彼に決闘を申込んだ。手代木は馬杉が待つ戸ノ口原へ向った。二人を心配して康正と卓也が戸ノ口原へ行こうとしたとき、英太郎とみどりが心中したという報せが来た。二人は悄然と戸ノ口原へ行った。馬杉と手代木は激しく格闘していた。そこへ康正が乗出していった。「今度は俺が相手になろう、俺は蓉子を諦めないぞ」−−康正は叔父の心中で今までの蓉子に対する気持をはっきりさせたのだ。康正と手代木は向い合った。それを卓也が止めた。「最後の友情じゃないか」と。四人は戸ノ口原を後にした。残雪の道を踏んで……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1959年
製作国 日本
配給 松竹大船
上映時間 101
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