「発禁本『美人乱舞』より 責める!」(1977)

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昭和初期、SMを追究することに異常なまでの執念を燃やした責めの研究の大家・伊藤晴雨の数奇な生活を描いたロマンポルノ。「実録阿部定」「屋根裏の散歩者」とともに、田中登監督の昭和史3部作の1本としてみなされている。晴雨に拾われ、愛され、責められ、狂わされるヒロインを宮下順子が演じている。

あらすじ

深夜の荒れた老屋の静寂の中に、ロープのきしむ音が不気味に流れていた。ここは晴雨の画室。晴雨は股火鉢で酒を飲んでいる。その目の前には、息も絶え絶えのタエが後ろ手にしばられて吊るされ、失禁の液体がしたたり落ちていた。晴雨とタエの出会いは、タエのつとめていたカフェでだった。女房運のない男と亭主運のない女の出会い、それは同志のようでもあった。晴雨には、別れた妻が二人いた。シマとトキである。晴雨は、「責めはナレ合ってはいけません」と二人を全裸で天井に吊し、それを見て、冷酒をのむのが常であった。彼は、これぞと見込んだ女は逃さない。鋭い直感力にタエも虜となったのである。手をかえ、品をかえ責めまくる晴雨。タエは、うめき、目が据わり、陶酔した。美しい夕焼けの雑木林の枝に吊されたタエの裸体は夕映えの中で輝いたが、タエの表情が死んだように停止し、瞳孔が焦点のきまらぬ笑いの中に開いた。その日から、タエは夢遊病者の如く足もとの定まらない行動が始った。医者によると、麻痺性痴呆症、つまり先天性脳梅毒で、鉄格子の病室に入れられた。タエの母が晴雨を訪ねて来て、晴雨の作品を見た。そして、晴雨がつれて帰って来た、タエにとびつき、そして晴雨にしがみかかっていった。タエは笑っていた。そして、母はタエを責めることを晴雨にたのみ、そうすることによってタエが正気に戻ると考えた。やがて、老屋の静寂の中にロープのきしむ音が流れた。失禁の液体がしたたり落ちた。しかし、タエは正気には戻らず、この世を去って行った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1977年
製作国 日本
上映時間 83
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