「鬼火〈1956年〉」(1956)

60点60

あらすじ

ガス会社の集金人忠七は仲々の腕っこきだが、どうやら独身を持て余しているようだ。通り過ぎの女に向ける眼も何か異常である。初秋のある日、忠七は、水原という家に集金に行ったが、そこで、女中を手ごめにする主人水原の姿を見てしまった。眼を吊り上げて佇む忠七に、水原の怒声が飛び、会社の上役に告げると脅かされた忠七は惨めな思いで、その家を出た。やがて忠七は、焼跡の一軒家に来た。友人の吉川に、この家の集金は難しいと云われては来たが、荒れ果てた家屋に、忠七は何か薄気味悪さを感じた。応待に一人の女が出て来た。身なりはヨレヨレだが顔立ちは美しかった。溜ったガス代を催促すると、女は、病床に伏す夫修一の薬を煎じるためガスだけは止めないでと哀願した。忠七はその代償に悪党ぶってサービスを要求。その夜、待ちくたびれた忠七の許へ、夜遅くひろ子が訪れた。汚れた着物、やつれ果てた顔に忠七は思わず顔をそむけたがそれでも布団を敷こうと押入をあけかけた。そのとたん女は部屋を飛出して行った。翌日の夕暮、忠七は、腹立ちまぎれに、今日こそはと再び女の家を訪れた。暗い家の中、忠七は思わずギョッとした。土気色になった修一の死体の傍に、ひろ子の首吊死体がぶら下っていた。「勘弁してくれ」と集金鞄も放り出して逃げようとする忠七の前に、青白い鬼火のようなガスコンロの火が燃えていた。それっ切り、忠七の姿は皆の前から消え去った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1956年
製作国 日本
上映時間 46
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