「峠を渡る若い風」(1961)

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鈴木清順=和田浩治コンビの青春映画。放浪学生と旅芸人の一座の交流を描く。作品中、主人公の白いシャツに氷水のシロップがかけられると、シャツの色がイチゴ色やメロン色に照明で変わるというシーンがあり、のちの清順美学の片鱗が見られる。人情喜劇風の生活感とパロディ・アクション風の軽みがミックスした珍品。

あらすじ

城南大学の学生船木信太郎はアルバイトに通っていた下着工場が破産し、給料の代りに下着をたくさん貰った。そこで信太郎は夏休を利用して行商に出かけることにした。信太郎は途中、旅回りの演芸一座「今井金洋奇術団」の看板娘で座長の一人娘美佐子と知りあいになった。奇術団は、千葉佐原市で幕をあけ、信太郎も縁日の路傍で下着を大道に並べた。その時、土地の与太者が因縁をつけてきたが、一人の男が仲裁に入った。その男は、東京から来た香具師仙波一家の兄貴株の青木だった。そこで信太郎は青木の紹介で、仙波一家のおてぶらの健、ジョージ望月と知りあった。次の興行地は潮来地方だった。仙波一家と奇術団はここでも一緒だった。その土地で、奇術団のドラマー林田とストリッパーの朱実が悪徳興行師の秋田に引き抜かれてしまった。客と土地のやくざは、美佐子に対して裸になれと騒ぎ出したが、信太郎がドラムを叩き、即興の唄を歌ってことなきをえた。そんな信太郎に美佐子はだんだんひかれていった。潮来のある町に来た時、美佐子は土地のボスで興行師の山口に連れだされ監禁されてしまった。一年前、山口は美佐子の父が病気で倒れた時にいろいろと面倒をみたのを種に、息子の嫁に美佐子を望んでいた。だが、美佐子の心が風来坊の信太郎にあると知って強行手段にでてきたのだ。信太郎はそ美佐子を救い出した。山口は契約を解約し、土地での興行を許さないとつっぱねてきた。みるにみかねた信太郎は、山口の屋敷にのりこんだ。子分に囲まれて危うくなった時、健と青木が飛びこんできて信太郎を救った。秋田は過去に健の弟を殺したかどで警察に逮捕された。翌日、奇術団は北に向って出発した。信太郎は仙波一家と西に向うことになった。峠を行く美佐子の目に涙が光っていた。美佐子を見送る信太郎の手には美佐子から送られた月見草が固く握られていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1961年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 85
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