「1000年刻みの日時計・牧野村物語」(1987)

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東北地方の一農村に惹かれた小川紳介監督による「ニッポン国古屋敷村」に続く長編ドキュメンタリー作品。とはいうものの単なる記録映画ではない。山形県上山市牧野村に13年間もこもり続け、稲の成長や自然との闘いをつぶさに捉え、また土地に伝わる民話をドラマ仕立てで再現。そこに住む人々の大らかな生き方を愛情を込めて描いた、画期的エッセイ映画である。日々野良仕事に携わるものの目とリズムで、土の表情・稲の表情を克明に捉えた前半の撮影成果。職業俳優に村の人々を交えた配役に牧野村伝承の物語が、遠い記憶の原石のように荒々しくシンプルなスタイルでよみがえる後半の演出成果。土とともに生きるという空間軸に“1000年刻み“の時間軸を掛け合わせていくという、ロング・レンジで対象と取り組む小川監督ならではの壮大な試みだ。真のユーモアあふれる人間讃歌。

あらすじ

地平線から太陽が昇り顕微鏡撮影で稲の開花と受精が描かれる。田植え。そして、カメラは堆肥の腐植過程をとらえた。「水にまつわる話」千年前から牧野村に伝わる民話と櫃作りと女人の話が語られる。「堀切観音物語」与きは金持ちの家に生まれながら女遊びやバクチで身上をつぶして乞食となった。再び話は稲へ戻り、稲刈り作業や稲ぐい、水はけの悪い田で根腐れを起こした稲株などが描かれる。低温の続くときは品種改良をしたり、試行錯誤を繰り返しながら人は寒冷に適した稲を作ってきた。こうして栽培技術は発展してきたのである。「山の神の婿取り譚」20年前、井上康さんのお父さんが道祖神(男根)を発掘。それを長い間、山の神様のお堂の床下に隠していたが火事で焼けてしまったため、山の神に祭ることになった。「縄文遺跡の発掘」道祖神の発掘がきっかけで、地表を50〜60センチ掘り下げたところ数千年前の縄文式土器が出土した。その土地を持っている木村迪男さんはびっくり。自分たち一家も神主さんのお祓いなどお祭りに参加する責任があるという。妻のシゲ子さんは土器を見ながら、20代、30代の頃に蚕に桑をやったり、牧草で牛を飼ったりしていたことを思い出した。この発掘作業には考古学者の佐藤正四郎氏が立ち合った。たったの4メートル四方を掘っただけだったが、そこからは完全な形の炉の跡や土偶まで出土した。「五巴神社の由来」今から240〜250年前に牧野村で一揆が起こった。そのとき五人の農民が犠牲となり、五巴神社が建立された。その一揆とご詮議をドラマとして再現。「木村みねさんの話」木村みねさんが登場。お不動様や山の神様のことを明るく楽しく話して聞かせてくれる。そして、最後に村人全員に村の中学の校庭に集まってもらい、大円団を作った。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1987年
製作国 日本
配給 小川プロダクション
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