「密航0ライン」(1960)

50点50
鈴木清順監督が「けものの眠り」に続いて長門裕之とコンビを組んだセミドキュメンタリー・タッチのアクション映画。ライバル同士の新聞記者二人が、国際密輸組織の内幕を暴くべく潜入する。清順独特の斜めの構図を主体にした凝ったカメラ・アングルが見もの。

あらすじ

戦後最大の国際密輸組織“香港−東京0ライン”の謎にいどむ二人の青年記者、極東新聞の香取と日東新聞の仁科は親友ながら激しく競り合っていた。ある夜、麻薬密売ルートに警視庁の手入れ。駆けつけた仁科は、そこに香取を見つけたが、逮捕された密売人の中に香取と同じ学友の佐伯を見てハッとした。佐伯は「香取おぼえていろ!」と叫んで舌をかみ切って自殺した。香取は佐伯の妹玲子に近づき密輸ルートを探り出したのだが、二人を裏切り警察にバラしスクープしたのだ。仁科は憤慨、香取の妹寿美子も非難した。二人は恋仲だったが、数日後横浜港で逢引をしているとき、ふとしたことから香取がスクープに利用している男李を発見した。ナイトクラブ手入れのとき李は逮捕されたが香取の策動でか直ぐ釈放された。数日後、仁科は新しい麻薬ルートを発見、運び人の愛子を尾行するうち、その相手の男が顔見知りの中国青年・張と知って愕然二人を押さえようとしたが愛子は突如暴走してきた車に拉致された。張を追いつめ、ヤクの出場所、鎌倉の杉江医院を聞き出した。愛子をさらったのは香取だった。彼は杉江医院に飛び女医の晶子を脅して麻薬を取り上げ東京駅のロッカーに隠した。晶子はその夜、何者かに殺された。呆然とする香取の前に現われた女、それは彼に煮え湯をのまされた玲子だった。彼女は乾分に命じて香取を車の中に押し込めた。その前を行く別の乾分の乗った車は一瞬の間に勤め帰りの寿美子をさらった。ヤクの隠し場所を教えろと迫る玲子に香取は止むなく東京駅へ車を回させた。刑事が張り込んでいたので玲子は二人を横浜の倉庫でなぶり殺しにしようとしたがパトカーにさえぎられた。二人の後をつけていた仁科の報せによるものだった。香取はその夜から姿を消した。彼が0ラインに潜入したことを察知した仁科は神戸へ、ついで北陸の港町へ飛んだ。変装して密航船に乗込んだが、玲子に見破られ石炭部屋へ入れられた。そこに香取が監禁されていた。仁科は電線を利用してモールス信号でSOSを打った。香取は石炭に火をつけ火事のドサクサに脱出した。SOSが届き船の周りには警察のランチが−−。香取と仁科は玲子の船室へおどりこんだ。自決しようとする玲子を香取が一瞬止めた。“香港−東京0ライン”は壊滅した。しかし第二、第三の0ラインが。仁科と香取は新たなる闘志をふるいたたせた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1960年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 83
チケット 前売りチケットを購入する