「非行少年・若者の砦」(1970)

0点--
かつて非行少年だった家庭教師と、非行しかかっている高校生を描いた異色青春映画。時代の青春を鋭く切り取ることで定評のある藤田敏八の監督作品である。純粋であるがゆえに、大人たちの醜さが我慢できない少年・祐一の行動が共感と同時に激しく胸を打つ。

あらすじ

石見次郎は諸越ふさという婦人から非行しかかっている高校生の祐一の家庭教師をたのまれた。祐一の態度に、次郎はかつての自分の姿をみた。だが祐一は何故か次郎の存在を無視しようとした。しかし、そんな祐一も幼なじみの女学生早苗に会っているときだけは、何かひたむきに求め合う純粋な気持になるのだった。こうしているうち、次郎には徐々に祐一の複雑な人間関係が判ってきた。祐一はふさと財閥依田のあやまちから生まれた。しかし、依田の死後、ふさは本妻の子である隆彦と聖子に遠慮して別居した。祐一が急にグレだしたのはそれからだった。ふさのバーで、聖子を見知った次郎は、彼女の瞳に愛情と憎しみの交錯した影をみつけた。一方、祐一は次郎に対する意地からか、この頃にはかなり勉学に精を出すようになった。ある日曜日、隆彦と瞭子の婚約パーティに招かれた次郎と祐一だが、おごり気どった隆彦が気にいらなかった。二人は瞭子にふられた男、石坂がのりこんで、隆彦に逆に威圧されたのをみて、これは隆彦をよくみせる八百長芝居だと暴露して、一座を騒然とさせた。隆彦や聖子にとってこれは残酷な儀式だったかも知れない。だが聖子にはこのことが次郎に抱かれる原因となってしまった。また祐一がもう隆彦の保護をうけられないと知って、愕然としたふさは自殺した。数日後、祐一は早苗との口づけを盗みとられたフィルムをとり戻そうとデバカメ市会議員と共謀した教師の大崎をめったうちにした。やはり、祐一も次郎と同じ道をたどってゆく。祐一はこれから少年院へ行き、次郎が立直ったように、生き甲斐をみつけて出てくるだろう。次郎はその意味をこめて、祐一をどなりつけた。外には次郎の生き方に共鳴した聖子の真剣な瞳が持っていた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1970年
製作国 日本
配給 日活
上映時間 90
チケット 前売りチケットを購入する