「月夜の傘」(1955)

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あらすじ

東京郊外の住宅地。中学教師を廿年来つとめている小谷耕平の一家、耕平は朴訥にして頑固だが、妻の律子は夫のふところだけを頼りにしているぬかみそ臭い女房だった。お隣の村井かね子は律子の女学校の友達で、世話好きで親切な奥さんである。一人っ子の健一から楽天的すぎると批判される人の良い性格で、良人の隆吉を信頼している。小野妙子は洋裁を職業に持つ美しい戦争未亡人で、六歳の雪子と二人で村井家の一室を借りているが、死んだ恋愛結婚の夫が忘れられず再婚などは受けつけたことがない。その隣りの小さな二間つづきの家には、新婚一年の倉田美枝と、もっぱら出張で忙しい信男との若い夫妻の生活がある。こうした四人の妻たちは、かね子の家にだけある広い流しの古い井戸端に集るのがならわしになっていた。耕平の長男の高志は、親友の健一のラブレターを預っていて、父親に見つかり問いただされるが、健一の初恋のために絶対口を割らなかった。ある夜、かね子が妙子の部屋にやって来て、五年前に奥さんを亡くして男の子一人ある鈴木吾郎との再婚をすすめ、妙子も余りの熱心さに一応承諾した。大劇場で見合いした妙子も吾郎もお互にのり気がしないと断ったが、ある雨の降る夜、お互いが子供をつれて映画に行った偶然から、いつか仲人を通じてでなく結ばれて行った。楽天的なかね子の夫の隆吉には、玄人女との関係ができていた。倉田美枝と信男の二人は、生活苦の中に泌々した夫婦愛が生れていた。このささやかな住宅街にも、さまざまの生活譜が秘められているのであった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1955年
製作国 日本
上映時間 127
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