「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」(1976)

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江戸川乱歩原作の同名小説を原作として、猟奇趣味いっぱいに独特の世界を展開した異色作。下宿屋・東栄館の屋根裏を夜ごと散歩しては他人の生活をのぞき見ている男・郷田三郎は、今日は貴婦人・清宮美那子の部屋へとやって来た。郷田は、美那子と道化師や、中空の椅子の中に潜む彼女の運転手らとの情事をのぞき見ながら孤独と幻想の快楽にひたる。やがて、ただののぞき見にあきたらなくなった郷田は、天井の穴からモルヒネをたらして部屋の住人を殺害するという妄想にかられ始める……。『人間椅子』など、他の乱歩作品を取り込みながら、単なるポルノの域を越えたデカダンな美学を追求した意欲作。

あらすじ

遠く浅草十二階をのぞむここは、下宿、東栄館。その屋根裏をゆっくりと這う男の影……郷田三郎である。貴婦人清宮美那子の穏し部屋。そこへ美那子が入って来るや、頬に紅をつけた道化師が現われ、美那子を愛撫する。喘ぐ美那子の表情が、一瞬停止した。誰かが見ている……。屋根裏の散歩にこよなき孤独の愉しみを見いだした郷田の眼下では、下宿館の住人たちの秘め事がくりひろげられている。エス様(神)を生真面目に信仰しながら、女中にいたずらしている遠藤。女のモデルにダリ風のボディペインティングする女流画家・美幸。郷田はふと天井のふし穴からモルヒネをたらして殺人する幻想にとらわれた。清宮邸の美那子の部屋には、老運転手、蛭田の人間椅子がある。美那子は衣服を脱ぎそれに座る。微妙な刺激が伝わって来る。ある日、道化師に化けた郷田は美那子を抱いた。いつの間にか美那子は屋根裏の男のとりこになっていた。数日後、道化師に下腹部をゆだねている時、郷田の目を意識した美那子は思わず両腿に力を込めた。道化師は窒息死した。一方、郷田も天井から遠藤の口の中にモルヒネを十数滴落し、殺人を完遂した。 快楽殺人−−背徳の快楽に酔う美那子と郷田は、さらに人間椅子の蛭田をおさえつけて殺し、主人の清宮に毎日砒素入りのワインを飲ませて、死に追いやった。そして美幸を二人の体ではさみこみ窒息死させた後、二人は屋根裏にのぼり、からみ合った。その時、関東大震災が襲った。一瞬にして東栄館は廃墟となり、そこに美那子、郷田、蛭田、清宮、美幸の死体が現われた……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1976年
製作国 日本
上映時間 76
カテゴリ サスペンス/ミステリー
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