「青い乳房」(1958)

100点100
清順の前作「踏みはずした春」に続く日活無軌道青春映画第2作。小林旭は再び不良少年を演じる。内容は一種の家庭崩壊劇で、継母の過去の強姦、エロ映画製作、恐喝、痴話ゲンカなど不道徳のオンパレードであるが、清順は題材に流されず、独自の映像美で画面を切り取っている。原作名は「嘆きの乳房」。

あらすじ

堀江耕造は若くて美しい後妻容子をもらった。息子の高校生宏は義母に好意をもっているようだ。ある日、宏と容子は買物に出かけた。突然、デパートの中で宏は容子から金をまきあげ、封筒を手渡して人混みの中に消えた。宏は街で会った見知らぬ女子高校生の節子を誘って、ジャズ喫茶“フォンテーヌ”に行った。彼女の母は若い男を家に引張りこんで情痴に狂っていた。節子はそんな母親に反抗して不良になってやると家出したのだった。フォンテーヌの二階では、マダム美智の情夫ジャックの健が、エロ映画の編集をしていた。宏に入智恵をしたのも健であった。その頃、容子は宏に渡された封筒の中の招待状をみて驚いた。その展覧会場をおとずれた容子は一枚の風景画の前で失神してしまった。七年前、彼女はその現実の風景の場所で何者かに犯されたのだ。容子は気づいたとき、介抱している高村をみて彼を罵倒するが、彼は当時フランスにいたと否定した。容子は健から十万円の脅迫を受け、高村に相談した。宏と節子は日一日と親しくなっていった。節子は母である富子に情夫杉本と別れるようにすすめ宏にも不良の世界から抜けるように頼んだ。宏は健に足を洗うというが、健は許さなかった。宏を待つ節子に、富子から杉本を殺害したとの電話がかかってきた。宏は健から聞いた七年前の話を種に容子から五万円をせびって、節子に母の弁護士料にと渡した。ある日の夕方、宏を待つ節子は、フォンテーヌから健の命令で写真屋に連れ去られた。そこで子分の鉄に乱暴され、それを健は撮影機におさめた。フィルムを返してと絶叫する節子はその夜自殺を図ったが、一命はとりとめた。容子は自分のことが明るみに出て、宏と節子を救うと、健と対決した。しかし、そこで七年前の犯人が彼と腹違いの高村であることを知って愕然とした。健はフィルムを宏に渡し、母親を大事にしろと云った。容子は高村をたずねパレットナイフで例の風景画をずたずたに裂いた。宏は今更のように容子の愛情に胸をつまらせた。家に帰れぬという容子を宏と節子は自分たちと父のために帰ってくれと頼み、三人を乗せた自動車はタ暮の街を走って行くのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1958年
製作国 日本
配給 日活
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