「俺たちの荒野」(1969)

80点80
青春の夢と挫折、友情と恋愛をみずみずしく描いた青春映画。哲也と純は集団就職で都会に出てきた。哲也はバーの女と同棲しながら、アメリカに行くことを夢見て精力的に働き、純は基地の脇にある空地に自分の城を建てることを夢見ていた。ある日、純は空地で両親のいない由希と出会う。そして3人はこの空地に自分たちの城を建てることを誓い合う。やがて純は由希に愛を感じるが、哲也も由希を愛しはじめていた……。東宝青春映画のパターンを踏襲しながらも、悲劇的な結末を迎えるのは異例といえるだろう。純の遺骨を空地にばらまく由希の姿を捉えたクレーン撮影が胸に突き刺さる。

あらすじ

哲也と純は、集団就職で上京して以来の親友。野放図な哲也は渡米を夢みて稼ぐのに必死。バーのホステスのサチと同棲しながら昼は米軍基地に、夜はバーテンにと精力的に働いていた。一方自動車工場に働く純は、基地のわきにある小さな荒地に、自分の城を建てるんだという純朴な青年である。ある日、純はその荒地で由希と知り合った。両親のいない由希にとってもこの広場は、夢の城だった由希と純は広場ではしゃぎ夢を語りあった。そして哲也と共に三人でこの土地を手に入れようと約束した。やがて、純は由希に愛を感じ、由希もそれを受け入れようとした。だが純は愛を表現する術を知らなかった。哲也は、純の悩みを知って由希の家に乗込んだ。由希はかいがいしく甥の世話をしていた。その時から、哲也は彼女に郷愁に似た感情をいだくようになった。一方、哲也の素振りの変化に気づいたサチは、ヤクザを使って由希の体をうばおうとした。しかし、それは二人の間を深めさせたのみだった。哲也を忘れられないサチは、純に愛のはけ口を求めた。哲也は純から由希を奪ったうしろめたさと、純とサチの仲を知った気まずさから基地の中にこもってしまった。由希は土地代にするためのお金をもって、哲也を迎えに行った。やがて、陽光が、土地の匂いが三人を包む時が来た。だがその喜びも束の間、純が高圧線の中継塔から飛び降りて死んだ。荒地に一人佇ずむ哲也。彼の手から粉々になった純の骨が、花粉のように散っていった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1969年
製作国 日本
配給 東宝映画
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