「学生社長」(1953)

70点70
アルバイト合資会社を作った3人の大学生の恋と友情の物語を中心に、子供のために更生しようと決意する老スリ師の姿を描く。中野実の原作を川島雄三、柳沢類寿とともに練ったのは助監督だった野村芳太郎。学生会社という現代にも通用する設定に親子の情という浪花節的世界を放りこんでいる。学生社長に扮する鶴田浩二の学生服姿が初々しい。

あらすじ

自由大学の学生山地丈太郎、木原震二、梶英雄の三人はアルバイト合資会社を作り、山地はその社長格で、近所の食堂ワンダフルの娘ラン子はそのシンパだった。観光ガイドで作った資金を梶がスラれてから、神経をたてていた山地が或る日眼つきの悪い男を捕えた。その老スリは山地にいさめられ更生をちかって金を出したが、その金は山地たちの金ではなかった。山地たちが住むアパートの隣室へ越して来た山田瑞枝という美しい娘は、大陸で行方不明になった父を探していたが、その父が実は老スリ野島末吉だった。しかし山地たちは観光ガイドをして知り合った内海玲子夫人の紹介で日本一興業へ就職するが、社長の内海氏が瑞枝の持っている父の写真とそっくりなので、てっきりと思い、瑞枝をよろこばせる。一方野島末吉には、お松という女スリの養女がいるが、お松は父を改心させた山地という男に憤慨して会って見ると、その怒りは吹きとんで、彼女もスリをやめようと思うほど彼にひきつけられた。が、山地の心が瑞枝にあると知って、嫉妬にかられ、瑞枝の父は末吉だとバラしてしまった。瑞枝はそのため失踪し、お松も後悔して山地に協力してその行方を探した。瑞枝は内海氏に会って事の次第を打明けていた。同情した内海氏は瑞枝を養女にするといい、それを蔭ながらきいた末吉は、自首をして本当に更生しようと黙って去って行った。お松も山地をあきらめたが、やはりきれいに生きて行くことを誓うのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1953年
製作国 日本
配給 松竹=松竹大船
上映時間 93
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