「心中エレジー」(2005)

【DVD発売中】

67点67
30代の新鋭、亀井亨監督の処女作。どこか心の満たされない夫婦2組による愛憎劇が展開していく。熊切和嘉監督の『アンテナ』や『空の穴』などで助監督を務めてきた亀井の生々しいタッチの人物描写が印象的。若手演技派として頭角を現す眞島秀和や、小山田サユリらキャストの熱演も光る。

あらすじ

その男の誘いに応じたのにさして深い理由はない…と、彼女は思う。溝口京子(小山田サユリ)。毎日片道2時間半電車に揺られ、有楽町の不動産屋に通勤している。お客と触れ合うカウンター業務を特に負担と感じてはいないが、さりとてやり甲斐など毛頭感じていない。仕事を終えまた電車に揺られ家に帰れば、夫とふたりのいつもの生活が待っている。その女に出会って確かに救われた…と、彼は思う。自分と同じ癖を持つその女に。田中万代(眞島秀和)、弁護士。毎日片道2時間の通勤で、神楽坂の弁護士事務所に通勤している。猛勉強の末に司法試験に合格した彼は、六法全書を生き方のマニュアルだと信じていた。ある日、京子の案内で西新宿のアパート物件を訪れた万代はそこで彼女にある提案をした。「平日の夕方から夜の2時間、ここで一緒にいないか?」夫との結婚生活はなにがなんでも守り抜く。だってそれは当たり前のことだから…と、妻は固く信じていた。田中麻美(中村優子)。弁護士である夫と郊外の小綺麗な一戸建てに住み、地元の町役場に勤務している。変化には乏しいが安定した日々の暮らし、それは彼女が望んで手に入れたものだった。妻の秘密にはずっと以前から気づいていた。だがそれを決して口にしないこと、封印することがやさしさだ…と、夫は考えた。溝口勉(豊原功補)。10歳年下の妻・京子と東京都下の田舎町に暮らしている。田園風景広がるのどかな町で地元農業を手伝っている彼には、自然食レストランを開業するという夢があった。外で働く妻を気遣い、夫は夕食の準備をすることもしばしばだった。パソコンも置いたし、暗号も考えた。何もない部屋にパソコンモニターだけが青く光っている。あの日を境に西新宿のアパートで逢い引きを繰り返す万代と京子。限られた時間の中でお互いを求め合うふたり。ある時、京子が言った。「なんか私ね、心に”膿”が溜まっているみたいなのね」。万代が答えた。「…じゃ、その”膿”出しちゃおうよ」。それはふたりがいっしょに死ぬこと。つまり”心中”を意味した。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 2005年
製作国 日本
配給 バイオタイド=フルメディア
上映時間 108
公開日 2005年7月30日(土)公開
映倫 R15+
カテゴリ 人間ドラマ
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