「無宿者〈1964年〉」(1964)

88点88
5年前、笹子峠で父を惨殺され、その形見のドスを持って犯人を探して旅をする一本松と、同じく5年前、笹子峠で御用金を持って姿を消した父を探す黒木弥一郎。佐渡金山で二人が出会い、真犯人を探し出していくまでを描いたヤクザものの時代劇アクション。スピード感と映像美が秀逸な三隅監督の傑作。

あらすじ

佐渡金山を背後にひかえたある寒村に、二人の男がやって来た。賭場で知り会った二人は、形身の朱鞘のドスを持つ一本松とかつては武士であった黒木弥一郎だ。この二人は、奇しき因縁で結ばれていた。一本松の父は、五年前、笹子峠で斬殺されていたが、弥一郎の父も、五年前、笹子峠で御用金を拐帯して、姿を消していた。この話しを聞いて以来、一本松は、御用金拐帯を見た父が、弥一郎の父に殺されたにちがいないと信じた。だが弥一郎は、父の潔白を確く信じていた。やがて二人は、人足問屋兼やくざ稼業三州屋波蔵が、二年前から、盛んとなったことを、村の娘おはるから聞くと、二年前から、三州屋の黒幕になったという船問屋、島屋十兵衛の追求を始めた。一本松は十兵衛こそ、弥一郎の父黒木半兵衛の仮の姿だと信じたのだ。一本松は、波蔵をせめて、島屋の正体を吐かせる寸前で、島屋の仔分和四郎によって、波蔵は殺された。波蔵の妹で、器量を見込まれて、島屋の女となったお勢以に、飲み屋で会った一本松は、島屋の背後にもう一人の人物がいることを確かめた。その男こそ、半兵衛だ。一本松はそう信じた。おはるの父儀十も、佐渡から来る船の中には必ず島屋を命令する男がいるという。折よく、金山に労働者を送るため、船が来た。黒木半兵衛を追う一本松の目に、悠然と笑った父源七の顔が映った。一本松に、源七は、半兵衛を殺して金を奪ったと、笑った。一本松は、父を憎んだ。弥一郎もまた仇と狙った。だがそれを察した源七は、弥一郎を射殺した。遂に、一本松は父と対決した。だが父親殺しの汚名を一本松に着せることを恐れた源七は自からの命をたった。死体を前に、一本松の肩はがっくり落ちた。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1964年
製作国 日本
配給 大映=大映京都
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