「天使のはらわた 赤い教室」(1979)

53点53
ポルノ雑誌の編集者・村木は温泉町で見たブルー・フィルムの女、名美に惚れてしまう。実はそのフィルム、名美が昔、教室で強姦されて撮られたもの。忌まわしい過去を振り捨てようと、男を避けてラブホテルの受付嬢に身をやつす彼女に、村木は運命的な出会いをする。ところが、二人の逢い引きの約束は、村木が警察に引っ張られてご破算。事情を知らずに雨の公園で待ち続けた名美は、男への絶望を深めて奈落の底に堕ちていく……。行きずりの男とのわが身を削るような交情シーンを、カメラは粘りつくような長回しで捉え、女の転落への意志を描き出す。にっかつロマンポルノの一つの頂点をなす、激しくも切ない秀作。水原ゆう紀の捨て身の熱演や、赤らんだ人肌を不安定な構図で映し出す撮影も特筆もの。

あらすじ

息抜きに来た温泉町でブルーフィルムを観たポルノ雑誌の編集者村木哲郎は、迫真の“演技”でレイプされる女に釘付けになってしまった。その女の“顔”は村木の使っているモデルからは想像も出来ないものだった。東京に帰った村木は、早速女の居所をつきとめようと心当りを捜すが、結局見つからなかった。ある日、撮影でラブホテルに行った村木は、そのホテルで受付をしているあの“女”士屋名美に出会う。村木は名美に、ブルーフィルムで観たあなたの顔が忘れられない。雑誌のモデルになってくれと頼むが、彼女にとって、そのブルーフィルムは忌わしい思い出でしかなかった。それは、彼女が学生時代に実際に強姦されたとき撮られたもので、その後、それを見た男たちは、それをネタに彼女に近づいてくるのだった。拒む彼女をなんとか説得した村木は明日の再会を約束して別れた。しかし、翌日、村木は雑誌のことで警察に呼ばれ、名美との約束の場所に行くことが出来なかった。それから三年が過ぎ、村木は結婚をして、女の子も生まれた。ある日、仲間と場末のバーに繰り出した村木はそこで、街頭の女になり果てた名美に出くわした。しつこく追う村木を、名美は、ヒモのマー坊を使って店から叩き出すのである。翌日、二日酔の頭を抱え、名美のいる店を尋ねた村木は、マー坊に手ひどく痛めつけられてしまう。名美が止めに入ったときには意識も薄らいでおり、目覚めたとき、村木は店の二階で寝かされていた。そして、隣室から洩れる異様な声に気づき、ふすまの隙間から覗くと、そこで、名美とマー坊が客の前で白黒ショーを演じている。マー坊の果てた後、次々と群がる客を相手にする名美を、村木は見ることが出来なかった。客の帰った後、名美をここから救い出そうとする村木の言葉に、名美はどうしようもない思いに、言葉を荒げた。二人は互いの思いを振りきるように、背を向けて去って行くのであった……。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1979年
製作国 日本
上映時間 79
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