「刺青一代」(1965)

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78点78
独特の様式美が爆発、ファンを熱狂させた鈴木清順監督の秀作。日活B級アクションとして作られたありきたりの任侠映画のようでありながら、ラストに至って突如、歌舞伎にも似た舞台的=作劇的な展開を見せる。その破天荒なイメージは清順美学の最も顕著な一例として特筆されるものである。昭和の初め、ヤクザの鉄太郎は渡世の掟に従い人を刺した。堅気の弟との別れ際、追手とのいざこざで弟も人を殺してしまう。兄弟はそろって満州へ逃げのびようと、とある港町へ。しかし金をだまし取られ足止めを食う。旅費を稼ぐため人夫としてまじめに働く二人だったが、追っ手に執拗に追われ、またその町のヤクザの争いにも巻き込まれて、兄をかばうように弟は切り殺されてしまう。守るものを失った鉄太郎は怒りを胸に一人、組の屋敷へ殴り込む。血に染まる空、轟く雷鳴、次々に開かれる襖の色・色・色……。背中一面に鮮やかな刺青を見せながら、激しい立ち回りの末、鉄太郎はついに復讐を遂げるのだった。

あらすじ

昭和初期、東京深川の木場で、一人の男が戸塚組の親分岩松を刺した。この白狐の刺青をした男、“白狐の鉄”と異名をとる大和田組のヤクザ渡世、村上鉄太郎であった。鉄太郎は、堅気になることを条件に、大和田組組長の命令で岩松を刺したのだ。その足で鉄は、美術学校行きたさに仏具屋に修業にいっている弟健次を訪ねた。弟は留守であった。帰途鉄は、大和田組の政吉に銃口をつきつけられ、あわやという時、帰ってきた健次がかけつけ、政吉の挙銃を奪い、政吉を射ち殺してしまった。鉄はまだ堅気の弟に傷がつくのを恐れて、自首しようとする健次をともなって、満州へ逃げようとした。そしてたどりついた、ある港町で知り合った男山野の紹介で、亜細亜丸の船長を知り、密航の手続きをした。だがこの船はドック入り寸前の船であった。山野らにだまされて金をまきあげられた鉄と健次は、途方にくれて路頭をさまよった。そんなある日、その土地の港湾業者木下組組長勇造の妹みどりが二人をみて同情し、木下組に入れてくれた。二人は慣れない仕事ながら精一杯がん張りとおした。そんなうち健次は、みどりの姉で勇造の女房雅代を知り、しだいに恋心をよせるようになった。一方のみどりは、労務主任江崎の求愛をよそに、いつしか鉄にひかれていった。そのころトンネル工事を木下組にもっていかれた赤松組では、何とかして木下組をつぶそうと、悪どいいやがらせで工事を妨害していた。山野もこれに加わり、江崎もみどりに結婚をことわられた腹いせに木下組を裏切って勇造を狙った。そんな時、警察からの手配書で、勇造は鉄と健次が前科者なのを知り、二人に組を出ることを命じた。二人は勇造の計らいで、満州へ渡るべく船に向った。ところが雅代を忘れられない健次は、最後の別れをと、雅代のもとに引返した。が、そのころ雅代は赤塚組に連れ去られていた。そんなときに帰ってきた健次は、単身赤塚組になぐりこみ、逆に殺されてしまった。これを知った鉄は、燃える怒りを白刃にたくし、赤塚組に乗りこみ斬りまくった。鉄の働きで赤塚組は倒された。皆の感謝の眼を背に鉄は、みどりに別れを告げるのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1965年
製作国 日本
配給 日活
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