「日本大侠客」(1966)

75点75
九州の侠客議員として知られる吉田磯吉の長男・敬太郎が書いた自伝をもとに、マキノ雅広監督が鶴田浩二主演で映画化した任侠映画。明治中期の北九州の港町・若松を舞台に、若き日の吉田磯吉が沖仲仕の側に立ち、賃金の上前をはねる悪徳ヤクザ一家に敢然と闘いを挑む。藤純子が、主人公のピンチを救う鉄火芸者・お竜に扮して画面をさらう。この役は後年、藤純子の当たり役となった“緋牡丹博徒“シリーズの女侠客・緋牡丹のお竜の原型となった。1970年の「玄海遊侠伝・破れかぶれ」では勝新太郎が吉田磯吉に扮し、鶴田浩二とは対照的な主人公を熱演した。

あらすじ

明治中頃の若松。磯吉は料亭大吉楼で居候をしているが、金のけじめがなく、そこの金庫から拝借した金や戸畑の闘鶏で稼いだものまで友人の船乗り亭蔵にやるというお人好しだ。若松一帯の縄張りを狙う岩崎万吉こと岩万は代貸義三郎と共謀、戸畑土方と若松仲仕を喧嘩させ男を売ろうと計った。思惑どおりこの事件で戸畑の大滝組と若松の仲仕が殺気だって対立した。ところが思わぬ調停役が出た。磯吉が大滝を口説き落したのだ。だが、話は金でつける習い、さすがの磯吉も窮地に立ったが、どたん場で身体を売って芸者お竜が救った。欲得ぬきで命を張った磯吉にほれたのだ。彼女は三年後の再会を約して若松を去った。弟思いの磯吉の姉スエは彼のために料亭を持たせたが、ある日過労で倒れ、彼をおふじという女中と夫婦にさせた。お竜との約束もあり、しっくりいかない夫婦生活だったが、親友亭蔵が帰ってくるころから磯吉の人気は若松一帯に広まった。例の事件で磯吉に苦汁をなめさせられた岩万は、人気の回復を計って人斬り修次に磯吉を襲わせた。おふじは必死に磯吉をかばって負傷を買ったが、磯吉はこのとき妻を愛している自分に気づいた。そして三年、帰ってきたお竜も敗北を知って去った。そして数年、若松港が開港、八幡製鉄所に火が入り、未曽有の景気にわいたが同時に無法者が乗りこんで兇徒の街と化した。岩万の無法も目に余るものになった。磯吉をたてた仲仕たちと対立、白昼兇刀が乱れた。この調停に政界の大物柳川代議士が来たが、磯吉を追放すると一方的に決めた。彼が岩万と義兄弟と知って磯吉は岩万を斬った。そして、お竜が柳川の妾になっていることを知った。彼女は自分を恥じて自殺した。磯吉は薄幸の女に涙するのだった。 【キネマ旬報データベースより】
製作年 1966年
製作国 日本
配給 東映=東映京都
上映時間 95
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